――10月5日から西原さんにとって初舞台となる『ヴェローナの二紳士』が始まりますが、今の心境は?
- とにかく楽しもうと思っています。私は、凄くあがり症なので舞台はちょっと・・・無理なんじゃないかと、ずっと思っていたんですよ。いつか舞台には挑戦したいとは思っていたんですが、自分が舞台に立った姿が容易に想像できてしまって・・・。頭が真っ白になって“どうしよう!どうしよう!”と言っている姿がリアルに想像できたので、その時はダメだなと思っていました。でも、このお話を頂いて、自分の知らない世界に飛び込んでいけるいいチャンスだと思ったし、自分の中で何かが変わるんじゃないかと思いやらせて頂きました。
――実際にやってみていかがですか?
- 稽古に入ってから、声の出し方とかその他いろいろなことを教えて頂きました。最初は大丈夫か不安もあったんですが、稽古が進むに連れて凄く楽しくなってきました。自信を持つことが大切ということも教えて頂いたので、今は逆に大きい声を出してます(笑)。毎日、同じようなことをやっていても、“今日はこうやってみよう”とか“ああやってみよう”とチャレンジできるので、今までとはまた違った楽しみ方が出来ているなと思っています。
――稽古をして楽しみながら成長できていると。
- 楽しめるようになってきたからかもしれないんですが、最初にあった不安が少なくなりました。本番が始まってみてからでないと分からないんですけど(笑)、漠然とした怖さはないですね。
――読者の方はどんなストーリーか気になるところだと思うので、簡単に教えて頂けますか?
- この舞台は『恋と友情・裏切りと許し』というものがテーマになっています。生田斗真さん演じるヴァレンタインがミラノに来るところから物語が始まり、そこで私が演じるシルヴィアに出会い恋に落ちるんです。そのあとに、ヴェローナに恋人を残し、堅い友情で結ばれているヴァレンタインを追うようにして柏原収史さん演じるプロテュースがやって来るんですが、プロテュースもシルヴィアに出会い恋に落ちて三角関係になり、“友情”を取るか“恋愛”を取るか突きつけられるんです。そして、ヴェローナに残っているプロテュースの恋人も彼に会いたいがために、男装をしてミラノにやってきて・・・。
――もう大変じゃないですか(笑)。
- そうなんですよ(笑)、そこで4つのテーマが繰り広げられていきます。
――西原さんからみて、シルヴィアはどんな女性?
- すごく強くて逞しい女性ですね。もちろん気品もあるし女性らしいんですけど、その中に貫き通すことの出来る芯の強さを持っている女性だなと思います。劇中でヴァレンタインが追放されてしまうシーンがあるんですが、それを彼女が追いかけようとするんです。追いかけるということは、自分の置かれている環境や身分を捨ててまでも愛する人の元に行きたいという強い気持ちを持っているということですし、プロテュースに何を言われても揺るがない気持ちがあるということ。でも、それだけじゃなくて時には少年のような無邪気で遊び心のある一面があったり、凄く色々な顔を持っている魅力的な女性です。
――シルヴィアとリンクする部分は?
- ちょっと気の強いところかな(笑)。でも、シルヴィアは自分もああなりたいなと思えるくらい、素敵な女性だと思います。
――シルヴィアを演じるにあたって気に掛けていることはありますか?
- いつも、『真実味があるように』と言われているんですけど、ちょっと理解しづらいようなことがあっても、その部分の真実を自分が引き出して言葉にするということがとても大切なことだと思うし、それを意識して演じるようにしています。言葉の奥にある隠されているものや、全体的なストーリーの流れの中にある真実を分かりやすく、観客の方に届くようにと思っているんですけど・・・、そこが一番難しいですね。