――映画のもう一つのメインキャラに「オニ」がいますよね。「オニ」と聞いてどう思いましたか?
- 最初、脚本に「オニ」って書かれていて、その「オニ」もCGということで、全然想像できなかったので、『これどんな話?』って思っていました。当時はどうなっちゃうんだろうとか思っていたんですが、撮影してるうちに「オニ」の模型とかが出てきたりして(笑)。でも、出来上がったものを見て、凄い大きな作品に携わったんだなとわかりました。
――映画の中で出てくる「オニ語」を覚えるのは大変そうですね。
- 実際映画の中で使われるオニ語は30個ぐらい。私の役で使うオニ語は3つぐらいだったんですが、自分がどのオニ語を使うかわからないので、とりあえず全部覚えました。結構難しいのがいっぱいあって、現場のみんなで一つひとつ教えてもらいながらやって、ある程度覚えて、あとはもう実際の撮影でっていう感じだったので、そんなに大変だったという感じはないんですよ。
――撮影中印象に残ったことはありますか?
- 撮影場所が京都で、当時夏ということもあってとにかく暑くて。戦いのシーンって映画の中では短いんですけど、実際は1シーン4日ぐらいかかって撮影してたんです。真夏に走ってみたり、炎天下の中で演技することが多かったので、そういうところは大変だったかもしれないですね。
――今回、同世代の共演者の方が多かったんですよね。
- 私にとって、初めて同年代の子たちがたくさんいる現場だったんですが、みんなでワイワイと合宿みたいな感じでした。ずっと京都に滞在していたので、撮影のあとみんなで飲みに行ったり、ラーメンを食べに行ったり、日々そういうことをやっていたので、本当のサークルみたいな感じで楽しかったですよ。石田卓也くんは舞台も一緒だったりするので。またまた一緒にいる時間が長くなります。
――ではお話にも出ました舞台のこともおうかがいしようと思うのですが。5月15日から公演が始まる舞台版『鴨川ホルモー』でも早良京子を演じるということですね。
- 舞台の早良京子は、また全然違うんですよ。映画の早良京子とは全く違う別人の早良京子を見ていただきたいですね。内容に関しても、舞台は、映画とは全然話が違うと思って見ていただいたほうが良いんじゃないかな。舞台は舞台で全然違う見どころががあって、私と凡ちゃん、安倍くん、高村以外はみんなキャラクターが全然違うんです。設定とかもいろいろ変わったりしているので、映画とは全然違うものとして見ていただいた方がいいかなと思います。
――舞台の練習は始まっていますよね、感触はいかがですか?
- まだ稽古を始めて3、4日目なんで、必死ですね(笑)。台本が出来たのが、稽古が始まる前日だったので、まずは台詞を覚えて、段取りを組んで、キャラクターを掴んでいくところです。今はまだ完璧に掴めていない状況のままやっているので、固まっていくうちに見えてくるものがあると思うから、これからそういうところがはっきりしてきて、どんどん良くなっていくんじゃないかなと思っています。
――では、映画と舞台、それぞれの見どころを教えてください。
- 映画に関しては、息抜きだと思って行っていただければと思います。初日舞台挨拶の時の(山田)孝之くんの言葉を借りて言えば、『爆笑できるわけでもなく、だけどつまらなくもなく』みたいな(笑)。「ばかだなぁこいつら」とか、「オニがかわいい!」とか、「内容ってどんな?」「うーん、よくわかんない」「でもすごく面白かった!」とか、そういう映画って珍しいと思うんですよ。アトラクションみたいに、行って、入ってみた、観た、楽しかった!、そんな感じで楽しんでもらえたらいいなって思います。難しいことを考えず、観れるっていうのがこの映画のいいところだと思います。舞台に関しては、人間模様を強く描いていますし、コメディーだから、もっと面白くしようっていう思いがあります。
――映画を観た方も舞台では違ったものを観れるわけですね。
- そうですね、映画とかぶせないで来てもらったほうがいいと思います。映画とかぶせちゃうといろいろ疑問が湧いてきちゃうし、想像してたのと違うって思われると思うので、別のものとして、それぞれの面白さを感じてもらう、それが一番だと思いますね。
――では今後どんな活動をしていきたいですか?
- お芝居をこれからもずっとやっていきたいなって思っています。何をしたいっていうよりも、今は何をやっても新しいことばかりなので。今度はこういう役をやるんだとか、だったらどういう風にやったらいいかなとか、日々課題がいっぱいある中生活をしている感じで、常にお芝居に浸っていられるという環境が私にとって一番幸せなんですよね。日々感じることだったり、できることは何だろうという興味・意識を持っていようって思うんです。
――最後に読者の方にメッセージを一言お願いします。
- とにかくまずは映画を観に来てください。みんなで行きましょう!何かしら笑えて帰ってもらえるかなって思うので。映画の方の『鴨川ホルモー』はやっぱり映画館で観るべき作品だと思います。迫力だったり、オニのかわいさって小さな画面だと伝わらなかったりするので、今回ばかりは映画館に行ったことないって人も映画館に行って観ていただきたいなと思います。そして、是非、舞台のほうも劇場に足を運んでください!