――ドラマ『イチケイのカラス』に出演が決まった時の気持ちをお聞かせください
竹野内豊さんが主演で、以前共演させていただいた黒木華さんもいらっしゃるというお話を聞いて、それだけで絶対面白い作品になるだろうなと思いましたし、そんな作品にレギュラーで出演出来ることがすごく嬉しかったです。
――初めての月9作品への出演になりますが、プレッシャーはありますか?
役柄として最年少という設定で、実際に現場でも先輩ばかりということもあって、最初は緊張していました。
――水谷さんが演じる一ノ瀬糸子の役どころは?
糸子は新人の裁判所事務官なのですが、新人らしからぬ感じで先輩たちにも物怖じせずに自分の意見を言ったりする、堂々としていて良い意味でマイペースな女の子です。
――役を演じる際に気をつけようと思っている点はありますか?
撮影前の本読みの時に、「全体的に物語のテンポを普段の1.5倍でやってください」と言われて。私は普段どちらかというと話すテンポがゆっくりなので、2倍くらいの速さで言うのがちょうど良いのではないかと思い、自分が思っている以上にセリフのテンポを速くすることを気をつけています。あとは、ツッコむようなセリフが多かったりするのですが、ツッコもうと思ってツッコむのではなくて、本当に心から思ったことをそのまま声に出しちゃうキャラクターだと思っているのでそこを意識するようにしています。
――役とご自身で似ているところはありますか?
最初は自分とは全然違うなと思っていました。似ていないから演じることが大変かなと思っていたのですが、撮影を重ねるうちにだんだん共通点も見えてきました。例えば、思ったことを言っちゃった時に周りが「え?」ってなる空気も体験したことがあったので、そういう感覚を思い出して演じてみたりして。あとは、糸子の媚びない感じというのは、私自身も「良い後輩」を意識してみせることが得意なタイプではないので、そういった部分も使えるかなと思いました。

――竹野内さんとはドラマ『ミッドナイト・ジャーナル』以来の共演となります。竹野内さんはどのような印象でしたか?
『ミッドナイト・ジャーナル』の時は共演シーンがなくて、現場でご一緒する機会はありませんでした。本読みの時とかにお会いしただけだったのですが、その時も私の大事なシーンの前に「こういう風に、こういう心構えで演じたら良いと思うよ」とアドバイスをいただきました。親身になってくださる素敵な先輩です。
――今作品では共演シーンもあり、竹野内さんの姿から吸収出来ることがたくさんあるのではないでしょうか
自由な雰囲気というか、良い意味での肩の力が抜けている感じのお芝居が魅力的だなと感じたので、そういうところを見て学んでいきたいと思いました。
――竹野内さんの他にも黒木さんや小日向文世さん、新田真剣佑さんといった幅広い年代の役者さんが揃っていますね
そうですね。私は桜井ユキさんと中村梅雀さんと同じシーンが多くて、「関係性をすごく大事に演じてほしい」ということを監督に言われました。撮影が進んでいくうちに、お芝居中にアイコンタクトを取ったりして仲が良い雰囲気が出ることを先輩方が率先してやってくださって、私も自然と何も考えずに輪の中に馴染めるようになってきました。感謝していますし勉強になっています。
――現場の雰囲気はどんな感じですか?
本当に和気あいあいといった感じで、小日向さんがムードメーカーなんです。小日向さんがいつも面白くて皆で爆笑していて、スタッフさんから「はい!撮影再開しますよー!」と言われるような、笑顔が多い現場です。
――撮影現場でのエピソードはありますか?
この間、小日向さんのセリフで言い回しが難しいセリフがあったのですが、それをアナウンサー風に言うと言えるようになると話していて。映っていないところでアナウンサーさんみたいにセリフを言う姿にツボってしまって「やめてください小日向さん!」みたいな感じになって。一回笑っちゃうと、本番で笑わないように堪えるのが本当に大変でした(笑)

――『イチケイのカラス』は刑事裁判官が主役のリーガルドラマで専門用語もたくさん出てくるかと思いますが、覚えるのは大変ではないでしょうか?
私自身は説明セリフがほとんどなくて、逆に私が「それって何ですか?」って聞くことが多いんです。視聴者の方と同じような立場で、セリフを聞きながらそういうことなんだと、勉強している感じです。
――普段台本はどういう風に覚えてらっしゃるんですか?
声に何回も出しながら読んで覚えています。でもふとした時に言うと忘れていたりもするので、覚えたなと思った後にお風呂に入りながらとか、寝る前に何回も言ってみたりしています。
――覚えるのは得意な方ですか?
全然早い方じゃないんです……。撮影が続くとだんだんサイクルが出来てきて覚えるのが苦じゃなくなってくるのですが、少し時間が空いた時の撮影は緊張してしまって、ちょっとしたセリフでも「やばい!忘れそう!」って思ったりします。
――水谷さんが思う、視聴者の方に楽しみにしてもらいたいポイントを教えてください
コメディ要素もあれば、刑事裁判官という今まで知られていなかった部分もあり勉強になるところもあると思います。誰が見ても皆で楽しんでもらえるようなドラマだと思うので、たくさんの方に見ていただきたいです!