――芸能界を目指したきっかけを教えてください。
小さい頃から人の目に触れる仕事や、撮影の裏側が気になっていました。自分から発信していくことが好きだったので、学校行事でメインの役を演じたり、衣装も自分でデザインしたりしました。興味を持ったのは、小学校の頃に浅草でスカウトされたのがきっかけです。母親に相談したら、「自分で電車の乗り継ぎができるようになったらやってもいいよ。」と言われました。そこで6年生まで待ってから、姉が見つけてくれたオーディションに応募して芸能界に入りました。
――第5回D-BOYSオーディションで準グランプリを獲得されたときは、どんなお気持ちでしたか?
初めてのオーディションで200人を前にしてスポットライトを浴びながらの審査だったので、こんなに緊張するんだ、と思いながら受けていましたね。受賞後も全然実感が湧かなくて、レッスンを始めた頃から意識するようになりました。

――年明けに出演される、テレビ東京系『新春ワイド時代劇「白虎隊~敗れざる者たち」』は、7時間ドラマということで注目も集まりますね。
7時間というと短くありませんが見てもらえると嬉しいです。内容的にも入り込めるというか、悲劇の象徴と言われる白虎隊を知ってもらえる機会でもあるし、色々な世代の人に楽しんでもらえるのかなって思います。僕たち白虎隊も雪の中に雨を降らせて頑張って撮影したので、最後まで見て欲しいです。
――演じられる井深茂太郎について教えてください。
茂太郎について調べてみたら、すごく優しかったということは書いてあったんですけど、台本を読んでいくうちに臆病者な部分があるとがわかったので、その二つを役作りのテーマにしていきました。
――時代劇ということで、殺陣や所作など練習されたんでしょうか?
それが茂太郎役が、臆病者の設定だったので殺陣は殆どやっていないんです(笑)。殺陣がメインのシーンでは、僕、腰抜かしちゃってる演技だったので。所作に関しては、袴を着ているとき腰の横に手を置く形で姿勢を正すようにしていました。
――戦乱に巻き込まれる若者たちのお話ということで、戦のシーンも多いかと思います。
本当は殺陣を習いに行こうと思っていたんですけど、プロデューサーさんに聞いたら「白虎隊は、あまり殺陣がちゃんとしていないなかで、がむしゃらに戦っているんだ。幼いながらも戦に挑んでいるっていう切なさや儚さを伝えたいから、あんまりそこは意識しないで」と言われました。

――同世代の若者が戦場で戦っていることなど、考えさせられる部分も多かったのではないでしょうか?
僕がもし白虎隊に入っていたらって考えると、逃げちゃうんじゃないかなって思います。それと大好きな人との別れっていうのが本当に最後の最後、生きて会えない別れになるっていうのが悲しいですね。
――出演中の『TV・局中法度!』では、新撰組を演じていらっしゃいますね。幕末関連には縁があるのでは?
そうなんですよ。忠臣蔵で赤穂浪士もやったし、新撰組も白虎隊もやったので、自分の中で縁があると思っています。今しかできない役を演じられて光栄だし、生きていない時代を生きることができるって嬉しいですよね。こういう生き方もあったんだなって。普段、『局中法度』で新撰組を演じているので、『白虎隊』では他の人が新撰組として出演しているのが新鮮でした。
――撮影で大変だったことや、楽しかったシーンはありますか?
今回、刀を差しているのに刀は一切使わなくて、鉄砲を使うシーンが多かったんです。発砲前に薬包を噛み千切って、鉄砲に火薬を入れる演技が難しかったです。それに鉄砲って実際に持ってみると重いんですよ。お米の重い袋を持っているような感じでした(笑)。発砲シーンでは結構大きな音がするので恐かったですね。撃った後の衝撃の反動を表現するのも難しかったです。僕が好きな弾着(※弾が当たる・撃たれる)や爆破などのシーンもあって楽しかったですね。