――映画『俺はまだ本気出してないだけ』で演じられる役柄について教えてください。
演じるのは主人公・大黒シズオの娘で大黒鈴子っていう女の子です。賑やかなキャラクターが色々出てくるんですけど、その中でも唯一って言っていいほど、ちゃんと背筋が伸びている子っていうか、ちゃんと立って画面の真ん中に真正面から出てくるような女の子なんです。だからコメディなんですけど、ふざけた大人たちの中で私はそんなにふざけていないっていうか、ちゃんと立っている役ではありました。
――役に共感する部分はありましたか?
演じる中では特にありませんでしたが、実際シズオさんのようなお父さんがいたら私も鈴子と同じ行動を取るなって思います。
――ご自身のお父さんと接する時と通じる部分もあったのでしょうか?
父親が小さい頃から単身赴任をしているので、一般的な父のいる日常や、シズオさんのように毎日家にいる父、みたいなのを私は知らないんです。ただ、離れているからこそずっと繋がっていられるものも多分あるんだろうなって思います。お父さんがずっと家にいたら、よくあるような多感な時期にお父さんを嫌いになっていたかもしれないし、一緒に居過ぎて喧嘩になったりしたかもしれないっていうのは、すごく考えたりします。なんか父の性格はシズオさんと似ているところもあって、いきなり、ふざけた感じなんだけど本気なことを言い出したりします。

――ご家庭でのお父様はムードメーカーなんでしょうか。
ムードメーカーって訳じゃないんですけど、どうなんだろう…一人で暴走して帰ってこないタイプではあります(笑)。
――好きなシーンはありますか?
自分の登場シーンではありませんが、おじさん二人が河原で体育座りしているところがあって、そのシーンが好きです。
――ご自身で映画をご覧になった印象はいかがでしたか?
私はこの映画をほんとにライトな気分で見に行って、楽しい気持ちでいっぱいになって劇場を出たんです。でも私の持った感想とは逆に、映画を見た方によっては主人公と自分を重ねて、すごく痛い思いをされた方もいらっしゃったみたいです。今回のようにインタビュー取材を受けた時、自分もちゃんと仕事しなきゃって思わされちゃったって方もいたと知って、なるほどと思いました。見た人それぞれの思いを反映するような作品になったんだなあって印象があって、やっぱり嬉しかったですね。

――コメディ作品ということで現場の雰囲気はいかがでしたか?
コメディに出演するのは2度目くらいなんですが、結構初めてな感じでずっと緊張していたんです。でも監督は誰より早く、誰より大きな声で笑ってくれるし、現場の空気作りも含めて、作り手側を観察できて良かったなあっていうのもありました。それと、キャストの皆さんが楽しませようというよりも、楽しもうという気持ちが強かったのも印象的です。何が正解っていうのはわかりませんが、それは大事だなあと思って見ていました。
――撮影中、思わず本気になったり、力が入ってしまった時はありますか?
現場では楽に楽に、肩を落としてなきゃいけない役だったので、力は入っていなかったです。寧ろ、成功祈願のお祓いでキャストの皆さんと神社に行った時に、初めて堤真一さん(大黒シズオ役)や石橋蓮司さん(大黒志郎役)とお会いしたので、力が入ったというかやっぱり緊張しました。
――共演の皆さんとは撮影の合間にお話もされたんでしょうか?
福田監督や堤さんとふざけて「焼肉行こうよー」って話したり、他愛ない会話をしていましたね。
――映画『俺はまだ本気出してないだけ』はどんな方に見てもらいたいですか?
福田監督は『コドモ警察』とかも撮っているので、単純に子どもが見ても楽しめると思います。また仕事に関して何らかの満足感がない人が見ると何か思うこともあるだろうと思います。学生の子たちだったらどんな感想を持つんだろうっていうのは一番想像できなくて楽しみなところですが、見る方すべてに、楽しい気持ちになりたいと思って映画館に来てもらえたらな、と思います!
――ファンの皆さんにメーッセージをお願いします。
映画『俺はまだ本気出してないだけ』を見て頂きたいですし、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』も毎朝見て頂きたいです!