2014/02/04
<武田梨奈>『祖谷物語-おくのひと-』インタビュー
プロフィール情報
武田 梨奈(タケダ リナ)
- 生年月日
- 1991年6月15日
- 出身
- 神奈川県
- 血液型
- AB型
――デビューのきっかけとは?
もともとお芝居がやりたくて保育園くらいからオーディションを受けていました。中学3年のときに初めて映画の現場に行かせていただいて、そこからフリーでいろいろオーディションを受け続ける中で、出演した『ハイキック・ガール』という映画で本格デビューさせていただきました。
――今回、映画『祖谷物語-おくのひと-』ではオーディションがあったのでしょうか?
事務所に直接お話を頂いて決まりました。今までアクション物の作品に出ることが多かったので、最初はなんで監督が私にオファーしてくれたんだろうっていう不思議な気持ちがありました。でも、もともとお芝居がやりたかったのですごく嬉しかったです。
――どんなストーリーなのでしょうか?
簡単にいうと、おじいちゃんと孫のお話です。ひとりの少女が祖谷という町で生きていく中でのストーリーが描かれていて、普通の女の子が祖谷という町や、おじいちゃん、東京から来た工藤という人物など、周りの人に囲まれて成長していく姿を描いています。

――武田さんの役柄とは?
私が演じるのは、おじいちゃんの孫娘で主人公の春奈という女の子です。孫と言っても血が繋がっていない孫で…これネタバレとかじゃないですよね(笑)?春奈は山で拾われた女の子なんですけど、小さい頃からおじいちゃんに育てられたので、おじいちゃんのことが大好きで、本当の親のように思っているんです。でも、おじいちゃんが年を取るにつれて春奈も、これからどうなっていくんだろうってだんだん不安になっていくんですね。1年間の四季を通して、春2週間、夏2週間・・・って感じで撮影していったので、その心境の変化を演じるのは難しかったですね。
――アクションの活躍も注目される武田さんですが、今回の役柄の印象はいかがでしたか?
アクションシーンはないんですけど、雪山を走り抜けたりするシーンが結構あって、そこはアクションとは違う大変さがありましたが、新鮮で楽しかったですね。それと春菜にはちょっと野生的な部分があって、私もどちらかというと野生的な感じの人なので(笑)、すごく似ている部分はあるなと思いました。
――1年を通しての撮影で、役作りに影響はありましたか?
町でロケをしているときも祖谷の町はコンビニがないし、冬は水道をひねっても水が出てこないし、携帯も繋がらないんです。普段過ごしている東京や関東での生活と真逆だったので、特にこんな役作りをしようって思わなくても、祖谷で暮らしていたら自然とその感覚になっていくというか、リアルな体験ができたので、それも映画の中で表現できたんじゃないかなと思います。
――武田さんも祖谷に馴染んでいったんですね。
はい、ご飯もそうですが今回の映画は町の方々がすごく協力してくださったんです。祖谷に住んでいる方が少ないのもあるんですけど、町の人みんなが家族みたいな雰囲気なので、それも『祖谷物語』の風景や関係性に似ている感じがして演じやすかったなと思います。それに春の撮影が終わった後、期間を空けて夏の撮影に入ったときも、祖谷に戻ったら皆さんいつも通り迎えてくれるので、本当にやりやすい環境を町の方々が作ってくださったなという風に感じました。あとは中学生の子がいつも学校帰りとかに「武田さん頑張ってください!」って声をかけてくれましたね。
――撮影中、大変なこともありましたか?
最初はきついなって思ったんです。携帯も繋がらないし、トイレに行くのも大変だしっていうのはありました。でも祖谷に2週間もいるとそれが当たり前になってきて、何も違和感がないというか、全然不便じゃないんです。逆に2週間、3週間とロケをして東京に帰ってきたときのギャップに驚きます。いつでもどこでもメールや電話ができるし、水も流しっぱなしだし…そういう生活が逆に怖いみたいな(笑)。人間ってその生活に慣れるとそれが当たり前になってしまうんだなっていう感覚を覚えて、改めて今の生活について考えるようになりました。祖谷に住んでいれば、その暮らしが当たり前という感覚になるので何も不便はないと思うんですけど、こっちに住んでいるとやっぱりこっちに慣れちゃいますね。

――田中泯さん(お爺役)の印象はいかがでしたか?
映画の中でもそうなんですけど、実際にお会いしても存在感がすごくて、喋らなくても何か色んなものが伝わってくるんですよ。お芝居のときも、お爺の役には台詞が一言もないのに会話ができるっていう、その凄さを出せるのはやっぱり泯さんしかいないなって感じました。
――台詞がなくても雰囲気で伝わってくるんですね。
そうなんです。春菜はいつもお爺の背中を見ながら話しかけるんですけど、その返事を背中で返してもらっている感じがするんです。最初に台本を読んだときは、お爺とのシーンで私だけ喋っているように見えて違和感を感じるんじゃないかなって思ったんですけど、実際はまったく違和感なく成り立っていて、泯さんの存在感あってこそのシーンだなという感じがしました。
――他の共演者の方とは、どんなお話をされたんでしょうか?
田中泯さんの他に、大西信満さんも一緒のシーンが多かったので、撮影が終わってから宿で一緒にご飯を食べて撮影のことを話したり、映画の話とかたくさんさせていただきました。『祖谷物語』もそうですし、今の日本映画についてみたいな感じでお話する中で、現場以外でもいろいろ勉強させていただきました。
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