
2018年に人気小説を舞台化した『放課後の厨房男子』で出会い、アドリブが止まらず上演を重ねるごとに上演時間が延びていったことで「劇団尺伸ばし」の通称で愛されるふぉ~ゆ~主演×小林顕作演出シリーズ。その後、ヒット公演を続けおなじみとなったこのカンパニーが2022年秋、5回目にして初のオリジナル作品『隅田川ヤングロード物語 ~嗚呼!そりゃあいけねえぜ!~』を上演。下町のさえない商店街を舞台にありふれた日常のなかで温かみのあるドタバタコメディを描き、大盛況のうちに幕を閉じた。
あれから約1年の時を経て、あの商店街と個性豊かな人々が帰ってくる。前作からの続編となる今作では再び訪れた商店街の危機に、マサラムービーからタイムスリップまで、前作を超えるドタバタ要素が盛り沢山。歌って、踊って、時を超え、2024年の幕開けにふさわしい「劇団尺伸ばし」オリジナル作品第2弾となる。
演出を務めるのは、2018年の『放課後の厨房男子』から6年連続でふぉ~ゆ~とタッグを組むことになる小林顕作。
主演を務めるふぉ~ゆ~(福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介)のほか、前野朋哉、野澤祐樹、楢木和也、田中穂先、三倉佳奈らおなじみのメンバーが集結した。さらに、今回は喜矢武豊(ゴールデンボンバー)が初参加。
公開ゲネプロの後に行われた取材会には、ふぉ~ゆ~のメンバーと三倉佳奈、喜矢武豊、演出の小林顕作が出席した。
出来栄えを聞かれると「最高傑作です!」と即答する福田に、続けて辰巳も「この「劇団尺伸ばし」は結成して6年目になりまして、『隅田川ヤングロード物語2』は1を超える最高傑作がまた生まれました」と手ごたえがある様子。越岡も「皆さんに何も考えずに笑ってもらって、それで尺が伸びる、皆さんの寿命が伸びるんじゃないかと思っております」と笑顔で答える。
そして松崎は「ワン、ワンワンワン……」と役柄にちなみ犬の鳴き声で答え、隣の辰巳が「早く皆んなに見てもらいたい、って言っています」と通訳するチームワークを見せた。
ふぉ~ゆ~とも6回目のタッグとなる演出の小林は「あっという間の日々でしたね」と共演を振り返り「1年あっという間だったな、と言うのが6回続いた感じで。(三倉)茉奈ちゃんと(三倉)佳奈ちゃんに関しても、(今回は)茉奈ちゃんだっけ?佳奈ちゃんだっけ?みたいな感じで、ずっと仲良くさせてもらってます。今回は喜矢武さんがいらしているんですが馴染んじゃって。積み重ねというより気づいたらやってるって感じです。僕もずっと楽しく関わらせてもらっています」と語る。
「劇団尺伸ばし」初参加となる喜矢武は「こんなに長い歴史のある作品をやらせていただいて光栄です。喜矢武豊という人間が関わったことで数倍もパワーアップしちゃったので。もうこれから居ないことが考えられなくなってしまったなと、申し訳ない気持ちになってしまいました。喜矢武豊の力でここまで来ました!」という大胆発言。「すごい貢献したので次には多分ギャラが跳ね上がってると思うので!」と続けるも「もういらないでしょ!」とツッコミが。
喜矢武との共演について福田は「最高ですね。キャンさんに僕たちの空気がしっかり伝わっているようで嬉しいです」と笑顔で語り、辰巳からは「喜矢武さんには稽古場から家まで車で送ってもらったりもして、終わった後一緒にカレーを食べに行って、マサラの香りを研究したりしました」という稽古中のエピソードも明かされ「喜矢武さんが出てくださったことによってふぉ~ゆ~とゴールデンボンバーさんとのコラボもいつかやりたいなと。”ゴールデンふぉ~ゆ~ボンバー”で!」と熱いラブコールが。
喜矢武から「すみませんね。ゴールデンボンバーの中では”じゃない方”なので……」と言われると、福田も「僕らも弊社の”じゃない方”です!」と自虐で返す場面もあった。
三倉は喜矢武との共演を「何年も前からこの座組みにいるんじゃないかっていうぐらいの馴染み方が素晴らしくて、とても楽しく稽古をさせていただきました」と述べ、「私は女性一人なんですけど、男性たちが小学生みたいな人しかいないので、子どもが十何人増えた気がして、母親のような、保母さんのような気持ちで稽古をしていました」と笑顔で振り返った。
稽古場の感想を聞かれると、福田は「とても楽しかったです。ここにいる皆さんにも参加してほしいぐらい楽しい時間でした!顕作さんの稽古は稽古時間がとても短くて、すごく集中してバッとやるんですよ。皆で集中力を限界まで使って短い時間で早く終われるので、心にゆとりができました。本当に一回来てください!」と呼びかけ。小林も「来てみたら分かると思うんですけど、ほとんどこのメンバーはいないんです。アンダーの子たちもすごく頑張ってくれて、皆良い子で、その子たちで下地を作って、あ、戻ってきたって言って。誰かがいると誰かがいないのが最近の舞台では結構多かったけど、集まったらチームが固まって。それはそこまでやってくれた子たちのお陰もすごくあるなと思いますね。感謝しています。カンパニー自体がずっと和やかで楽しくて、変なストレスがなかったです」とカンパニーのチームワークの良さを語る。
辰巳は「本当に劇団みたいになってきましたよね。劇団員が増えてきたなって感じがします。そろそろ全国で新規劇団員のオーディションをね!」と笑顔を見せた。
前回からブラッシュアップしたところについての質問には「全てです!」と話し出した松崎に、「急に喋りましたよ!」とどよめきが起こる一幕が。
辰巳は「この作品は休み時間の廊下のような、真面目に悩み相談してる場所もあれば、ゲラゲラ笑ってる場所もあるみたいな。なんか楽しかったな、って時間を過ごしてもらえると思うんですけど、中でも今回はやっぱり良い楽曲が多いので、歌も一緒に楽しんでもらえたら嬉しいなと思っています」と見どころをアピール。
様々なパロディを含んだ楽曲たちが本作を彩っているが、すべて小林のオリジナル(?)の新曲となっており、「世の中に流れてるものは大体何かのオマージュだと思うので、その何かが引っかかっているのであれば、それは僕が何かのオマージュが引っかかっているんだなという状態です」とあっけらかんとしたコメント。しかし、「喜矢武さんが歌った曲だけは喜矢武さんに「大丈夫ですか?」って聞きました。これで問題が起きたらどうしようかなっていうのは楽屋でも話していたり」など懸念点もあるようで、ゴールデンボンバーの『女々しくて』がオマージュされている楽曲では本家同様「辛いよ」の歌詞が。喜矢武から「(ゲネプロに)うちの社長が来ていたのでもしかしたら……降板の可能性もあるかもしれない」という発言があり、小林から「(怒られたら)変えることも辞しません!」という宣言も。
さらに、劇中には「劇団尺伸ばし」作品で恒例となっている舞台『Endless Shock』に登場するコウイチ(KinKi Kids・堂本光一)の小ネタも。コウイチに扮する松崎に、本人に相談したのか?という質問が投げかけられるも「見に来ていただいて、判断してもらいます」と返し、「事後報告なの!?」というツッコミが。「彼も一人の共演者です」と言い切る松崎の姿があった。
会見の最後は、辰巳が役さながらキュー出しをして作中で使用する小道具のカチンコを打ち、福田が代表してメッセージを送る流れに。
「父ちゃんのコメントまで!3!2!」というキューから、福田が「『隅田川ヤングロード物語2 ~嗚呼!青春はマサラの香り!~』は、東京は池袋、その後に名古屋、広島、大阪でも公演をやります!劇団尺伸ばし、皆さまの人生の尺を一生懸命伸ばしていきたいと思います!高級B級グルメのような素晴らしい演劇体験をぜひ劇場で!劇団尺伸ばし、大勢でお待ちしております!あなたの尺をください!」と力強く語りかけ、会見を締めくくった。
6年目となる「劇団尺伸ばし」メンバーの結束と、喜矢武という新たな“スパイス”を迎えての化学反応で、前作を超えるドタバタ劇の予感満載の舞台『隅田川ヤングロード物語2 ~嗚呼!青春はマサラの香り!~』は、2024年1月25日(木)より東京・サンシャイン劇場を皮切りに、広島、名古屋、大阪の3都市で上演される。
1月30日(火)の公演では、三倉茉奈のゲスト出演が決定した。