2020年に週刊ヤングジャンプにて赤坂アカと横槍メンゴのタッグで連載スタートした【推しの子】は伝説的アイドル・アイの子どもとして転生するファンタジックな設定とショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、“芸能界”という複雑な世界に躊躇なく切り込む他に類を見ない斬新なストーリーに衝撃が走り、幅広い世代に話題沸騰。コミック累計1,800万部以上を発行し(※2024年8月現在)、アニメ第2期の放送を終えてもなお、その反響は大きく、勢いはおさまらない。
日本が誇る【推しの子】を世界のエンタメとして届けるべく、Amazonと東映が手を組み、ドラマシリーズと映画で実写映像化し、世界へ配信する初めての試みとなる本プロジェクト。

ドラマ配信まで残り2週間をきる中、今回のイベントのために用意された豪華特別ステージに主演アクアを演じる櫻井海音に齋藤飛鳥、齊藤なぎさ、原菜乃華、茅島みずき、あのと今をときめくキャストが集結。さらに、吉田鋼太郎、倉科カナ、金子ノブアキ、要 潤ら作品の脇を固めるベテラン勢も登壇。監督を務めるスミス監督、松本花奈監督もかけつけ、総勢12名による豪華ラインナップが実現し、イベントはライブ会場を彷彿させるような超豪華特別ステージで行われた。

本作で主演を務めた櫻井は、今の心境を「1年前の今日、11月17日が作品のクランクインだったようで「だからやっとこうやって皆様にお届け出来るきたなと、裏で(キャストの)皆さんの登場を拝見しながらちょっと泣きそうになっていました」と感慨深げにコメント。
「オファーをいただく前から原作の大ファンでずっと読んでいて、もし実写化するならアクアをやらせていただきたいなと思っていたら本当にオファーがいただけたので、光栄なことだなと思っています」と作品への想いを語り、「現場に入ってからは、これだけ人気の作品を実写化するということに対して、最大限の愛とリスペクトを持って接しなければいけないと言うことで、常にアクアを演じるシーンで、原作はどういう風に立っているのかなとか、どういう風なセリフの言い回しをしているのかなというのを毎シーン確認しながら、再現性みたいなものを追及している毎日でした」と役を演じる上でのこだわりを明かす。
「プレッシャーもあったんですけど、現場に入ってからは決して1人で戦っているわけでは無くて、組全体が同じ意識で【推しの子】という作品に対して愛とリスペクトを持って同じ方向に向かっているんだという感覚がものすごいあったので、プレッシャーよりも早く皆様にお届けしたいという気持ちにシフトできました」と座組の一体感を感じていたようだった。

B小町のライブシーンの撮影時に、原作者の赤坂アカ氏と横槍メンゴ氏と対面する機会があったようで「B小町の3人とアクアの4人で向き合ったんですけれども、皆緊張して喋れなくなっちゃいまして。でも先生方の優しさというか、ものすごくフランクにお話してくださってすごく安心感もありましたし、ライブシーン以外のところでも1度来てくださって、そうやって実写化だったり現場に対してものすごく前向きに思ってくれているところが、ものすごく励みになりましたし、嬉しかったですね」と話す。

櫻井との共演シーンが多かった、プロデューサー・鏑木勝也役の要潤は「櫻井について「僕にアイの話を聞きに来る時の彼は本当にアクアそのもので、子犬のようのな目をして、すごい可愛いですね。役に入っていてあまり無駄話をしないというか、すごく集中してセリフを自分の頭の中で反芻しているので、どんどんアクアの顔になってて。僕もその姿を見て、鏑木という役をもっと自分の中で真剣にやらなきゃと思って、すごく引っ張ってもらった印象があります」と話し、映画監督・五反田泰志を演じた金子からは「本当に落ち着いていて、冷静で状況判断が的確で、現場で何を求められているかとか、どういう画になるのかみたいなことも瞬時に判断して、達観しているところがすごくあるので、ご本人の精神性がアクアくんに近いものがあるんじゃないかなと、一緒に居て感じました。本当に現場を引っ張っていただいて、長い間ありがとうございました」と俳優の先輩からの言葉に「とんでもないです」と照れていた櫻井。

さらに、芸能事務所“苺プロダクション”初代社長・斉藤壱護役の吉田鋼太郎は「「割と現場で監督に無断で芝居を変えたりすることが多い俳優なんですけども、櫻井くんとやった時もちょっと変えたんですよ。“抱きしめる”なんてト書きもなかったし、そのような流れではなかったんだけど、せっかく櫻井くんとやるんだから、何か仕掛けてやれと思って、櫻井くんはどうするんだろうと。そうしたらもう全然動揺もしない。その時の流れでちゃんと返してくれて、びっくりしました。だからきっとものすごい俳優さんになるのでは無いかなと実感しておりました」と撮影時のエピソードを明かす。
苺プロダクション現社長・斉藤ミヤコを演じた倉科カナは「俯瞰して見ているような感覚だったり、すごくクレバーな印象がありますね。あとは確かにあまりお話はしていないんですけど、時々『倉科さん、カフェ飲みますか?』みたいな感じでおごってくださったりとかして。キャストにもスタッフにもすごいコミュニケーションを取られているイメージがあります。お茶、ありがとうございました」と感謝していた。

大先輩たちからの言葉に恐縮していた櫻井は、本作での座長として何か意識していたことを聞かれると「座長だからということではないと僕は思っていて。どの現場でも、誠意を持って、愛を持って接するということを僕は役者として1番大切にしているので、それを今回も大切にしていて、できていたのかなという感じです」と振り返った。

そして、自身と役との共通点について金子からは“達観している”と言われていたが、櫻井自身は「B小町のメンバーからはおじさん扱いされるぐらいの、おじさんくさいところがあるので……」と話す。
すると齊藤なぎさに「基本的に焼き鳥の話しかしなくないですか?」と言われ、原菜乃華も「“焼き鳥お兄さん”でしたね」と共感。櫻井は「焼き鳥が大好きで、毎晩行くぐらい大好きなんですけど、それを【推しの子】の現場で感染させてやろうと、皆に言っていたらそんな感じになっちゃいましたね」と釈明するも、あのからも「僕も2人で話した時もウイスキーの話で、いや、じじいじゃねぇかよ!って思いました。焼き鳥とハイボールで、中身がおっさんというか。それも接しやすかったです」と言われていた。

黒川あかねを演じた茅島みずきは「同世代の方とは思えないほどの落ち着きぶりと、役への向き合い方も本当に素晴らしかったですし、あとはキャストとスタッフさんの名前を全員ちゃんと覚えていらしてしっかりコミュニケーションを取っている姿だったり、すごく勉強されられる部分が多くて、たくさん刺激をいただきました」と櫻井の現場での様子を話しながら「でも、本当に焼き鳥のイメージばっかりなんですけど、おじさんって言われることに対して『なんか俺、おじさんって皆から言われるんだよね』っていうのをちょっと嬉しそうに話している姿が可愛かったです」と暴露すると、櫻井は「確かに悪くはないですね」とまんざらでもない様子だった。

最後に、代表して櫻井が「まずはこの場をお借りして、赤坂先生、横槍先生、連載お疲れさまでした。一読者、【推しの子】ファンとして、【推しの子】という作品に出会えたことを本当に嬉しく思っています」と原作者へ言葉を送り、「そんな先生方が生み出してくださった【推しの子】という作品に対して、最大限向き合って、愛とリスペクトを持って作り上げたのがこのドラマ『【推しの子】』、そして『【推しの子】-The Final Act-』なので、ぜひ皆さんどちらも見ていただけると嬉しいです」とファンへ呼びかけた。

ドラマシリーズをPrime Videoにて11月28日(木)21時よりプライム会員向けに世界独占配信、その続きとなる映画『【推しの子】-The Final Act-』を東映配給にて12月20日(金)より全国公開する。なおドラマシリーズは全8話構成で11月28日(木)21時に1-6話、12月5日(木)21時に7-8話が配信される。

撮影・取材:村松千晶