左から:小瀧望・瀬奈じゅん・成河

 

ミステリーの女王と呼ばれる世界的な推理小説家アガサ・クリスティは、戯曲作家としても傑作を残した。今回上演される『検察側の証人』は、「これは私が描いた戯曲の中でも、お気に入りの一つであった」と自信も自伝の中で語る、舞台劇の最高峰と称賛される法廷ミステリーの決定版。

翻訳・演出は、読売演劇大賞 優秀演出家賞など数々の演劇賞を受賞、今最も注目を集めている演出家の一人、小川絵梨子。リアルで緻密な人間描写と、時に大胆な緩急ある演出に定評のある小川が翻訳から作品作りを手がける。

物語は、容姿端麗な青年レナードが大富豪で独り身の婦人を撲殺した容疑で起訴されるところから始まる。
レナードは全くの無罪を主張しているものの、状況証拠は彼に不利なものばかりで確実なアリバイが無く、あえなく逮捕されてしまう。
敏腕検事のマイヤーズが事件を担当することになり、レナードを裁く法廷が開かれ、法廷弁護人と検事の答弁が白熱の応酬となる中、唯一のアリバイを妻ローマインが証言する、はずだった。
しかし、法廷に立ったローマインから口を突いて出た言葉は、レナードから『婦人を殺した』と告白された、という「検察側の証人」としてのものだった……。

レナードを演じるのは、ジャニーズWESTのメンバーとして活躍する小瀧望。音楽活動にとどまらず、映画・舞台・ラジオ・バラエティ番組など多岐にわたり活動し、2021年に上演された舞台『エレファント・マン』の演技が評価され、読売演劇大賞 杉村春子賞 及び優秀男優賞を受賞している。
さらに、瀬奈じゅん、成河、大滝寛、浅野雅博、寺西拓人ら、豪華キャストによって繰り広げられる緊迫感あふれる応酬と観客の度肝を抜く展開は必見。

東京公演は、8月28日より世田谷パブリックシアターにて上演され、その後、兵庫・大阪でも上演が決まっている。

【小瀧望 コメント】
作品のお話を聞いて、ぜひ!やりたいと思いました。改めて読んで、書かれたクリスティ自身も気に入っている作品というのも納得のとても面白い作品だと思いました。
演出の小川さんと稽古場で、色々話しながら作り上げていければと思います。小川さんとご一緒できる時間を楽しんで、また先輩方との芝居のコミュニケーションも楽しみです。
僕の演じる青年・レナードについては、節々に狂気的な愛を持った人物だな、と感じました。僕自身、知らない自分に出会えそうです。全く違った僕をお見せできると思います。
まだまだ、気の抜けない状況で、我慢をしていただくところもありますが、生で感じるエンターテイメントのすばらしさを伝えていくことも、僕の使命だと思っています。生の演劇に触れて、生の役者のパワーに触れて欲しいと思います。
劇場では、傍聴席にいるような気持ちで、ぜひ傑作ミステリーを楽しんで下さい。

【瀬奈じゅん コメント】
このお話を頂いた時、とにかく興奮しました。
出演するのが夢であった「検察側の証人」という作品である事。
そして何より、小川絵梨子さんの演出であるという事。
今はまだその興奮が収まりきっていない状態ですが、共演者の皆様と共に、
しっかりと誠実に稽古を重ねて参りたいと思います。
このような状況下ではありますが、足をお運び頂けたら嬉しく思います。

【成河 コメント】
心から信頼する小川絵梨子さんの演出、頼もしく力強い共演者の方々と一緒に、新しい時代の『検察側の証人』を創れることを嬉しく思います。時代を経ても決して古びることのないアガサ・クリスティのこの法廷ミステリーを、さらに今回新翻訳で、より今の私たちに近しいエンターテイメントとして甦らせる事が出来るのではないかと期待しています。出口の見えない不安な日々に少しでも、上質な娯楽、前向きで建設的な思考を、皆さんと共有出来るよう、気を引き締めて稽古に臨みたいと思います。お楽しみにお待ちください。