劇作家・マキノノゾミが書き下ろし、マキノといくつもの作品でタッグを組んできた宮田慶子の演出により、2001年に初演され、以降、幾度も上演されてきた傑作喜劇『赤シャツ』。
夏目漱石の名作『坊ちゃん』の登場人物であり、主人公・坊ちゃんの敵役である“赤シャツ”を主人公に据え、「坊ちゃん」の物語を赤シャツの視点から描かれる今作。

赤シャツを演じるのは、ジャニーズWESTの桐山照史。
グループでの精力的な音楽活動に加え、ソロとしてもTVドラマ・映画・舞台とマルチに出演、今年1月にはドラマホリック!「ゲキカラドウ」(テレビ東京系)でドラマ単独初主演を果たし、その活躍にますます注目を集めている。

無鉄砲で血気盛んな坊ちゃんによる語りから見えていた世界と、同じ筋書きを辿っているはずなのに、赤シャツの視点を通して見れば、まったく異なったような世界が広がってる。同じ出来事を見ていても人によって見えるものと見えないものとがあり、考え方も人それぞれ異なり、時には誤解や思い込みといった偏りも生じる――人と人とが触れ合い、関わり合うことから生まれる可笑しみやままならなさ、そして温かさ。血の通った役者が生で演じるからこそ真に迫って描き出される作品となっている。

東京公演は、2021年9月上旬から中旬より東京建物 Brillia HALLにて上演され、大阪公演は9月下旬に森ノ宮ピロティ―ホールで上演される。

【桐山照史 コメント】
舞台がとても好きなので、生でお芝居ができるチャンスをいただけてとても嬉しいです。今回改めて、小説「坊ちゃん」をまず読んで、戯曲を読みました。赤シャツにはこういった面もあったのかなぁと感じられました。「坊ちゃん」を読むと、面白さの倍増する作品だと思います。演出の宮田さんとは、今回初めてですが、すでにご一緒している横山君から、『一から丁寧に教えてくださった』、また髙木君からは『厳しいけれど愛のある方』と聞いて、少しホッとしています。厳しい、というところはちょっとドキッとしますが(笑)、これまで上演されてきた名作、僕なりの引き出しをプラスしてヒール役を思いっきり楽しめたらと思います。

【宮田慶子 コメント】
“赤シャツ”は、ご存じの通り、近代日本文学を代表する夏目漱石の名作「坊ちゃん」に登場する人物です。この舞台でも、あの痛快冒険活劇が展開します。ただし視点を変えて“坊ちゃん”の敵役である“教頭の赤シャツ”の立場からえがいており、誰もが知る物語のかくされた真相がつぎつぎと明らかになるスリリングな舞台です。初演時から私が愛してやまないこの作品を、桐山照史さんが演じてくださることになり、今からワクワクしています。誤解や行き違いに翻弄される「人間・赤シャツ」を生み出してくださることを楽しみにしています。
窮屈な日常に疲れているすべての方にお届けする、笑いながら心に染み入る舞台を作りたいと思います。