本作は、初のプロの女性棋士誕生を期待されながらも弁護士に転向した主人公が、事件を得意の将棋になぞらえて解決する完全オリジナル脚本の将棋×痛快リーガルドラマを描く。
主人公・天童竜美を上白石萌音、竜美のバディとなる弁護士・歩田虎太郎を高杉真宙、竜美の母親・天童香澄を和久井映見、竜美の父親・天童辰夫を田辺誠一、「歩田法律事務所」のパラリーガル兼経理・乾利江を小林聡美が演じる。

作中で演じる天童竜美の正装でもある赤を基調とした和服姿で登場した上白石。本作は、将棋と弁護士を掛け合わせた意外な組み合わせのリーガルドラマで、初めて台本を読んだ際には将棋がまったくわからない状態だったと話す上白石は「何を目指して戦うゲームかすら知らなかったんです。これは将棋頑張らないといけないなと背筋がゾクッとするような脚本でした」と振り返りつつ「将棋が全くわからなかった私が読んでもすごく面白くて、心が熱くなる作品だった。作中でたくさん説明をしているので、将棋についてご存じない方でも、将棋がお好きな方にも楽しんでいただけると思います」とアピールした。

また、各話ごとに各棋譜(将棋の対局の記録)が登場すると話す上白石は「それ(棋譜)に沿ってみんなで撮影を進めていくっていう、我々もガチンコで将棋と向き合った作品ですので、将棋お好きな方も満足してみていただける」とあらためて太鼓判を押すと、高杉は「(上白石さんは)棋譜を覚えて、セリフも覚えて、弁護士用語も覚えるっていうそういう台本だったんですよ。台本読んだ時、『上白石さんすげえな』って思った」と称賛した。

さらに、台本については小林も苦戦したようで「これまでの仕事で、事件物とか、法律、刑事はなるべく避けてきた」とぶっちゃけ。続けて「喋ったことない用語がたくさんあって、洗面所にいつも難しいのを貼って歯を磨きながら覚えたりしていました」と裏話を明かすと、上白石は「3人で励まし合いながらやりましたね。ビート刻んだりとかしてました」と回顧。小林は「ラップのようにセリフを言うと体で覚える」とセリフを覚えるコツを披露、高杉は「あれ、効果ありましたね」と唸っていた。

ドラマの内容にちなんだ“俳優業から転向するとしたら”という質問をされると上白石は悩やみつつ「職人になりたい」と答え、「伝統工芸を継承したいです。畳とか和のものが好きなので、継承者がいないところに行って弟子入りしたい」と願望を明かした。

会見後半では、2025年の漢字を1文字で発表するコーナーも。
上白石は『考』の1文字を披露。「将棋にも長考という言葉がありまして、一手刺すために1時間2時間悩んでから刺すこともあったりする」と説明し、「この考えることは、この作品とお役から学んだことでもあります。昨今はコスパとかタイパとか言って、素早い対応とか素早い切り返しが素晴らしいってされる時代となりつつあると思うんですけど、だからこそ私は時間をかけて考えて、責任を持って言葉や行動に移せるようにしたいなという意味で考える年にします」と今年の抱負を語っていた。