
本作は、小泉堯史監督が吉村昭の原作「雪の花」(新潮文庫刊)を映画化。日本映画を代表する豪華キャストとスタッフが集まり、多くの人命を奪う疫病と闘った町医者の愛と感動の実話を描く。江戸時代末期、死に至る病・疱瘡(天然痘)から人々を救う方法を見つけようとする無名の町医者・笠原良策を松坂桃李、その良策の妻・千穂を芳根京子、そして良策を導く蘭方医・日野鼎哉を役所広司が演じる。
松坂は笠原良策を演じる中で「当時、流行っている未曾有のウイルスをどうやって治していったらいいかってことのプロセスが、とても大変なことだった」と気づきがあったそうで「未知なもの、不安なものに対して感じる恐怖だったりとか恐れみたいなものっていうのは、本当に昔も今も変わらないって改めて実感しました」と振り返った。
役所とは5度目の共演となる松坂は、共演したシーンについて「役所さんが演じる鼎哉先生のセリフで『名を求めず、利を求めず』って言葉があるんですけど、そのセリフが聞こえてきた瞬間、役を飛び越えて僕自身に言われているような刺さり方がした」と回顧。「役所さんの目を見て、芝居をさせていただいて、そのセリフが出てきた時にグサッと刺さった。今までこの仕事をさせていただいて、この感覚って今まで味わったことなかった。それが今でもずっと残ってて、今回は本当に僕自身にもくるようなものがあってすごかったです」と衝撃を受けたことを明かした。
対して役所は「普段の松坂さんが良い人かどうか知りませんけど」と会場を笑わせつつ「この良策ものすごく松坂くんに合ってるし、松坂くんしか思い浮かばないような役だったと思います」と絶賛、この言葉を聞いた松坂は「今日はゆっくり寝れそうです」と笑顔を浮かべていた。