
『夜明けのすべて』で主演男優賞に輝いた松村は「この度は歴史のある賞をいただき、心の底から嬉しい思いです」とトロフィーを手に取り喜びの表情。「一方で僕じゃなくてあの方のおかげであの方がとそんな思いも止まりません」と作品に携わった人々に感謝をしつつ「これからそういう方々1人1人に感謝を持ちつつ、返せる時に恩を返しつつ、そしてまたそういう方々と出会えるであろうワクワクを胸に、日々精進していけたらと思います」と今後の活動への意欲をみせた。
主演男優賞としてキネマ旬報の表紙を飾ったことに「会場に着いて、これでもかというぐらい飾ってあって戸惑いました」と驚きの表情を浮かべながらも、「ここまでの歴史の賞となると、ただの表紙ではないというのは手に取るようにわかる」と喜びをかみしめていた。
受賞作『夜明けのすべて』について松村は「いろんな側面はありつつも、誰かに居場所を作ってあげるような物語だった」と振り返りつつ「賞を頂けたのも、それだけこの映画によって居場所を見つけられた方多かったのかなと。そう思うと、そうやって救われた方が少しでもいることを実感できて、本当に良かった」と心境を明かした。
また、自身もSixTONESとして俳優としての2つの居場所を持つ松村。それぞれの魅力を聞かれると「難しい質問を…」と悩む姿を見せるも、「どちらにも仲間がいる仕事」と前置きしつつ「アイドルグループは人生をかけて一生を共にする思いで集まっていて、すごく自分ってものがパーセンテージとしては多いなと感じますけど、映画ってなると主軸は作品であって、みんなで自分の要素を渡し合って1つの貯金箱に貯めていくような、そこには大きな違いを感じながら活動してます」と語った。
【第98回キネマ旬報ベスト・テン 受賞一覧】
<作品賞>
日本映画ベスト・テン第1位『夜明けのすべて』
(監督:三宅唱/配給:バンダイナムコフィルムワークス、アスミック・エース)
外国映画ベスト・テン第1位『オッペンハイマー』
(監督:クリストファー・ノーラン/配給:ビターズ・エンド、ユニバーサル映画)
文化映画ベスト・テン第1位『正義の行方』
(監督:木寺一孝/配給:東風)
<個人賞>
日本映画監督賞 三宅唱『夜明けのすべて』
日本映画脚本賞 野木亜紀子『ラストマイル』
外国映画監督賞 クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
主演女優賞 河合優実『ナミビアの砂漠』『あんのこと』
主演男優賞 松村北斗『夜明けのすべて』
助演女優賞 忍足亜希子『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
助演男優賞 池松壮亮『ぼくのお日さま』『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
新人女優賞 中西希亜良『ぼくのお日さま』
新人男優賞 越山敬達『ぼくのお日さま』
読者選出日本映画監督賞 三宅唱『夜明けのすべて』
読者選出外国映画監督賞 クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
読者賞 斎藤環『映画のまなざし転移』