Ⓒ武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会

昨年2024年には、話題作へ立て続けに出演した南沙良。NHK大河ドラマ『光る君へ』では、主人公まひろの娘・藤原賢子役を務め、最初は賢子の反発心からなる母との緊張感ある関係を、終盤にかけては徐々に信頼を寄せ打ち解ける様子を豊かに表現した。DMM TVオリジナル『外道の歌』では、一家殺人事件の被害者の生き残りで復讐屋の手伝いをすることになる開成奈々子役を務めた。辛い経験を持ちつつも強く生きようとする奈々子の感情の機微を表現しながら、窪塚洋介・亀梨和也演じるカモ・トラとのコミカルな会話シーンもシュールに演じきった。
ABEMAオリジナルドラマ「わかっていても the shapes of love」では、横浜流星演じる香坂漣に恋するヒロイン・浜崎美羽を熱演。中川龍太郎監督を中心としたクリエイティブチームが作り出す美しい世界観の中、傷つくとわかっていても愛に手を伸ばしてしまうような人間の衝動を、繊細な表現で丁寧に伝え、視聴者の大きな共感を呼んだ。

Ⓒ武田綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会

そんな南が演じるのは、浪費家の母親に依存され、人生に一度も期待を抱いたことのない主人公・宮田陽彩(みやた・ひいろ)。
“フツー”とはかけ離れた大学生活を送る宮田陽彩(南沙良)は、学校に通いながら朝から晩まで寝る間もなくアルバイトや家事に追われる・・・母親に金を渡し、世話をするために。母親から暴力は振るわれないし、暴言もない。ただ「愛している」と言う言葉で縛られ、陽彩は緩やかな絶望と人生に対する期待のなさの中で生きている。そんなある日、同じバイト先の同級生、江永雅(えなが・みやび)と出会うことによって、陽彩の人生は大きく変わっていく。
ABEMA短編映画『恋と知った日』以来、二度目のタッグとなる井樫彩監督は、南の俳優としての魅力について「彼女の魅力はたくさんありますが、その1つは内に秘めた感情を実感を伴って表面に出すことが出来ること。」と語り、さらに「陽彩という心の中でさまざまな感情が渦巻いている主人公を、言葉少なくとも繊細に表現してくれました。」と期待感のあるコメントを残している。
また、南は主人公・陽彩を演じた感想として「自分が不幸であることを他人との物差しとして用いてしまう陽彩を抱きしめてあげたくなりました。」と述べ、作品については「誰かと出会うこと、何かを失うこと、なにかを信じること。ただ生きることがこんなにも難しいこの世界で、未来を見ることが出来なくても、今を生き抜く力を持てたら、と強く思えた作品でした。」と語った。

<南沙良 コメント>
「お芝居している中で、自分が不幸であることを他人との物差しとして用いてしまう陽彩を抱きしめてあげたくなりました。
誰かと出会うこと、何かを失うこと、なにかを信じること。
ただ生きることがこんなにも難しいこの世界で、未来を見ることが出来なくても、今を生き抜く力を持てたら、と強く思えた作品でした。」