
現在放送中の日曜劇場ドラマ『御上先生』に出演中。昨年は初主演を務めた映画『ハピネス』や、初舞台となる『ボクの穴、彼の穴。W』にも挑戦した窪塚愛流が、1st写真集『Lila』を2025年3月5日に小学館より刊行する。
発売を記念し行われた取材会に、写真集を抱えながら登場した窪塚は、「ついにこの日がやってきたと、自分の中ですごく嬉しい気持ちで朝を迎えました。何も偽らずにありのままのことをお話ししたいと思います!」と宣言。
出来上がった写真集を手に取り、「嘘が一つもないというのが嬉しかったです。一枚一枚に想いがちゃんとこもっているというか、やらされていないというか」と率直な感想を述べる。「2024年の20歳の年というのが、体感で3ヶ月なんですよ。舞台もあって、自分の人生にとって大きなイベントがたくさんあった中で、今の自分が出来上がる分岐点になった大事な場所を巡るということで、当時の自分を感じながら、怒涛の20歳を過ごしていた自分が写っているので、振り返ってみた時に、写真集を撮らせていただいて良かったなって」と語り、喜びを見せる。また、「これも新たな分岐点というか、一枚一枚が背中を押してくれるようなかけがえのない一枚なので、写真集見終わるまですごい時間かかりましたし、正直な話、親からのメッセージがあるんですけど、それは今日終わってから見ようと思ってます。恥ずかしくてまだ見れないんですけど。僕にとっては楽しみが詰まっている写真集です」と強い思い入れがある写真集となったようだった。
写真集では生まれ育った横須賀や地元でもある大阪でロケを敢行しているが、「奇跡的に色んな巡り合いがありまして。まず天気がすごく良かったんですよね」と撮影を振り返り、「人と人との繋がり合いが刻まれていて、ここ(表紙)の撮影をしたスタジオの女の子が、お宮参りが一緒だったんです!すごくないですか?」と偶然の出会いを明かし、「サーフィンのカットでも、良いスポットを教えてもらって優しくしてもらって。自分の思い出の場所を巡って、さらにまた新たな思い出になって、撮影の日々は全部がかけがえのない思い出です」と笑顔。
お気に入りカットについては「めっちゃかっこ良くないですか!?」と誇らしげに見せてくれた、新今宮駅での一枚。「大阪のディープな街の路面電車なんですけど、昔から変わっていない、新しくされていないので味がすごく出ていて、いつかここで写真を撮ってみたかった」という念願の場所でもあり、「この絵を描いた方が家族と昔から知り合いだったり、ただの駅の看板や時刻表なんですけど、この写真集を撮ってくださったカメラマンさんが好きな人で、その人が最高の味を出してくださって、唯一絵のような写真なので、お気に入りです。部屋に飾りたいような一枚です!」と熱く語った。
そもそも、写真集発売については「自分の通る道になかった」と話し、「写真集を撮るような人間じゃない。アイドル様のような方々が撮るものだと思っていましたし、正直僕は、こういうの(ポーズを取る)が恥ずかしいし、嘘をつきたくない」とブレない思いを明かしながら、「自分の気持ちを汲んでいただけるのか、叶わないんじゃないかと思っていたんですけど、自分の想像以上に一枚一枚がかけがえのない写真で、抱きしめてしまうような写真集になるとは思っていなかった」と想像を超えた仕上がりになったよう。
「それを皆様に目を見て、自分の声で届けられるのは幸せじゃないですか。自分自身の内面的な部分がここまで変えてもらえるのって、今日って絶対に自分にとって今後欠かせない日になると思いますし、3月15日じゃないですか。サイコー。最高だなって思いました」と日付の語呂合わせを披露し、お茶目な一面も見せた。
また、タイトル『Lila』の意味については、「昔飼っていたワンちゃんなんです」と明らかにした。「中学3年生で亡くなってしまったんですけど、中学生までは地元や家族を挟んで友だちができていて、自分からじゃなくて誰かがきっかけを持ってきてくれていた方が多かったんですけど、でも高校になると自分で決めて、フィーリングが合った友だちができて、自分からのきっかけがある中で、そこで自分自身が変わったんですよね。中学から高校で一番自分が変わった姿をワンちゃんにも見て欲しかったんですけど、それができなかった」と回顧し、「亡くなっても近くにいるような感じがするんですけど、目に見えないじゃないですか。だったら自分の写真集の名前にするとずっと一緒にいられるし、たくさん名前も呼んでもらえるし。色んな言葉の意味があるんですけど、ただ単純に昔飼っていた大好きなワンちゃんの名前をつけたということです」と思いが込められている。
既に両親には渡したそうだが、まだ直接感想は聞いていないようで「『良かったね〜!』みたいなのはあるんですけど、良かったねの次を聞かせてくれないんですよ。でもそれは今度ご飯を食べるので、ゆっくり聞かせてもらいたいなと思います。LINEとかの文面より、言葉で聞きたいじゃないですか」と楽しみにしている様子だった。
写真集には父・窪塚洋介がモルディブで撮影した家族旅行写真も掲載している。「父親と久しぶりに海外旅行に行ったんですけどその時にすごい良い写真が撮れたんですよ。事務所の方々や写真集のスタッフの方々が相談してくださり、皆さんの思いの先に掲載することができました」と経緯を明かし、「自分にとって家族はかけがえのない、欠かせない存在なので、こうやって自分の写真集に実の父親が写真を掲載してくれたという意味は、これは一生変わり続ける意味なんだろうなと」と話す。「今はただただ嬉しいです。今もきつい言葉をくれることが多いけど愛してくれてるのは伝わりますし、これを10年後とかに見た時に、色んな時期と共に想いは変わっていくと思うので、それはそれでこの写真集が自分の心の支えという意味では繋がっているというか、今後ともこの写真集を楽しんでいきたい要素の一つです」とコメント。
「技術面的にはあんまり見ていないんですよね。僕からすると撮ってくれた俯瞰した景色が頭によぎります。父親の技術は、上手いのは知ってます」と笑いながら話した。
写真集の制作開始から発売までの期間は約1年間。20歳から21歳と、少しずつ大人になっていく様子を撮りためられているが、怒涛の1年を過ごし、成長したところや変化を聞かれると「まず、今がすごい幸せって思っています」と切り出し、「俳優として挫折をして、何度も考え続けて、今も考える日々なんですけど、自分の考え方を好きになれたというか。去年分かったことは、まだ21歳ですけど、自分の生きているってなんだろうって考えた時に、そんなの分かるわけないし、でも、生きてる意味を作ってるんだなって。だからこれ(写真集)も僕の生きた意味だし、生きた意味を日々作り続けているんだろうなと。だから常に考え続けて、ただ全力でやるということと向き合うということ。その先にはつらいことも、自分にとって傷つくこともあるけど、絶対かけがえない幸せが巡ってくると。日々“せっかく”という言葉を大切に、自分の思ったことに蓋をせず、突き進もうと思っています」と力強く答えた。