
本作は、1942年公開の映画『Holiday Inn』(邦題『スウィング・ホテル』)をもとに、2014年に舞台化されたミュージカル作品。
演出・振付を務めるのはイギリスのミュージカル界を代表する振付・演出家の一人のビル・ディーマー。
主演を務めるのは、20th Centuryとして活躍する坂本昌行。そして増田貴久、柚希礼音、夢咲ねね、保坂知寿ら確かな実力をもつ超豪華俳優陣が集結し、今回の上演のために演出・振付・美術・衣裳などを一新し創り上げた。
アーヴィング・バーリンの名曲の数々が、男女4人の恋愛を軸に展開されるストーリーを色鮮やかに描き上げる。
プレスコール後に行われた取材会には、坂本昌行、増田貴久、柚希礼音、夢咲ねね、保坂知寿、演出のビル・ディーマーが出席。
坂本は「古き良き時代のミュージカル作品は所作とかポーズとか形が非常に難しいので、それを優雅に流れるような感じで歌もそうですけどダンスも踊って、見ているお客様が心豊かになれる作品だと思っていますので、それをお届けしたいと思います」と意気込む。
演出のビルとはミュージカル『TOP HAT』以来の再タッグとなるが、「色々お話をさせていただく機会がありまして、その時に考え方が僕と非常に似ていたというか、“とにかくミュージカルというのはリアルでなければいけない。そのステージの上で生きている人間が、日常であることが一番だ”ということをおっしゃっていたので、僕もそれに同じ考えでありまして」と、ミュージカルに対する考え方が似ているそうで、「(ミュージカル『TOP HAT』では、)色々アクシデントがあっても関わらずスマートにケアをしていただいて、そこでリラックスできて、無事初日、そして千秋楽の幕が降りたことを覚えています」と振り返る。
「ですので、今回やるにあたって、非常にリラックスというか、ワクワクの方が非常に多くて、早くビルの考えている頭の中を知りたい一心で、毎日稽古に行って、1日の感想が『ああ、楽しかった』で終えられたことが印象的で。早く幕が開かないかなと思っています」と、開幕を心待ちにしているようだった。
坂本の稽古場での姿について、後輩の増田が「ずっと鏡の前で練習されていますし、セリフも反復されていますし、何度か僕の方が先に帰るタイミングも多かったんですけど、坂本くんにバレないように先に帰ったりするぐらい……全然追いつけない先輩というか、努力もそうですし、稽古場での居方というのもすごく今回も勉強させてもらいました!」という尊敬の眼差しに、坂本が「そうなるともう失敗できないじゃない……」とこぼす。さらに増田から「完璧です!」の声がかかると「やめてくれよ……」とプレッシャーを感じているようだった。
また、『ホリデイ・イン』のタイトルにちなみ、休日の過ごし方やどのように息抜きをしているか問われると、「息抜きですか?何してたろう……」と考え込み、「何してた?」と隣の増田に聞く場面が。「こういう作品に入ると1つしか考えられないので、何かをやっていてもどこかしらで『ホリデイ・イン』のことばっかり考えているので……多分リラックスしてたり、絵を描いていたとしても頭の中はずっと『ホリデイ・イン』だったので、休んでた感覚があまりないです。キャッチーなコメントなくてすみません……」とマスコミを気遣いながら、作品のことで頭がいっぱいだと明かした。
最後にお客様へ向け、「アーヴィング・バーリンの曲と共に繰り広げられる、スマートで優雅で楽しい作品です。我々も本当に愛している作品ですので、ぜひ皆さんも劇場でご覧になって、この作品を愛してほしいなと思います」とメッセージを送った。
ミュージカル『ホリデイ・イン』は、4月1日(火)~16日(水)まで東京・東急シアターオーブにて、その後大阪にて上演される。