
――本作に出演が決まった時の心境を教えてください
中尾暢樹(以下、中尾):原作は愛情表現を深く描いていて、色気のあるシーンや行為によって愛情がより深く見える作品だなと思っていて。ドラマではただそれだけを描くのではなく、女性が愛されて幸せに感じるところを大切にしたいと制作人から最初に伺いました。僕も28歳になって、演技でそういう表現も今までよりできるのかなと思いつつ(笑)、素敵な作品に出演できることを嬉しく思いました。
三輪晴香(以下、三輪):原作を読ませていただいて、主人公の結と私は、明るいところは似ていると思うんですが、性格が私と全く違い、まさに「女の子!」という感じの子だと思いました。オファーはもちろん嬉しかったのですが、私で務まるのか不安もありましたし、役作りを頑張らないといけないなと思いました。
――原作や台本を読んだ感想はいかがでしたか?
三輪:すごくキュンキュンしました!TL作品はこれまで読んだことが無かったのですが、女性はやっぱりこういうものを見てキュンキュンドキドキして、可愛くなれたり綺麗になれたりするんじゃないかなと思いました。
中尾:僕もTL作品は初めてでした。まずドラマの台本を読んでから原作漫画を読ませていただいたのですが、原作は絵も表現もすごく綺麗だなと思いました。女性の読者さんたちが求めているものはここにはあるんだなと思いました。僕はこういう世界があるんだと知らなかったので、新しい世界が開いた気がしました(笑)
――ご自身が演じるキャラクターについて、どのような印象を持ちましたか?
中尾:最初は怖そうに見えるし、大人でもあるけど、実は色々抱えていて人間味がすごくあるキャラクターだと思います。演じていくうちに、かわいい役だなとも思うようになりました。
三輪:結は明るく天真爛漫で、思ったことを相手にストレートに伝えられる子です。表情もコロコロ変わりますし、そこがすごく可愛らしいキャラクターだなと思いました。
――役を演じる上で意識したことや気をつけたことはありますか?
中尾:宗一は、登場したばかりの頃は何を考えているか分からないし、「なんで気まずそうにしているんだろう?」とか思わされたりするのですが、徐々にキャラクターが見えてくる役です。だから、その変化が見えるように意識しましたね。結とは真逆で、感情表現や表情も豊かではないし、気持ちを表に出すタイプではないので、微妙な変化を表現できたらと思って演じました。撮影する順番も結構バラバラだったので、「今は何話だからこういう気持ちなので、表情を強張らせよう、逆にゆるめよう」とか、意識しました。
三輪:結は喜怒哀楽がはっきりしているキャラクターなのですが、私自身はそれが強い方ではないので、感情表現をはっきり見せることに気をつけていました。表情も動きも、とにかく相手に伝わりやすい表現を気にして演じていました。
――ご自身と役で共通するところはありましたか?
中尾:意外と嫉妬するところかな……(笑)。宗一は結に嫉妬していることを表に出すので、それはうらやましいですね。僕の奥底にもそんな気持ちがあるのかもと思いました(笑)。こんなに嫉妬できて良いな、こんな風に言えたら良いなって。大人になるにつれて薄れていった感情を再確認させてもらったみたいな感じでした。
三輪:結は周りの人たちをすごく大切にする子です。そういう面では私も、家族や友達や周りにいる人たちを大切にしたいという思いがあるので、その接し方は似ているんじゃないかなと思いました。
――原作に基づいたストーリーで忠実に映像化されていますが、その中で挑戦的なシーンもあったかと思います。どのような心境で挑まれましたか?
三輪:たとえばベッドシーンとかちょっとドキドキするようなシーンでは、お互いの気持ちが一番大事だと思っていて。演じる上でもそこを大切に、自分だけが一方的であってはいけないし、相手に身を委ねつつもどう求めてくれるかを考えていたり感じ取ったりしながら、演じようとしていました。現場では、「こうやろう、ああやろう」と段取り的にするのではなくて、スタッフさんたちともみんなで実際に動きながら、探っていった感じでしたね。
中尾:インティマシーコーディネーターさんにも入っていただいて、結構キャッキャしながら皆で作っていきましたね。僕は女子トークに混ざっているみたいな感じで(笑)。やっぱり女性がキュンキュンできることを最優先に作っていったドラマなので、皆が幸せに撮れる方法で、話し合いながら撮っていきました。
三輪:特に第6話には、やっぱり注目していただきたいです。どうしてもベッドシーンって生々しい感じになりがちだと思うんですが、このドラマでは愛し合う二人をすごく綺麗に撮ってくださっていて、光の加減とかも本当に絵画みたいに、綺麗に綺麗に撮ってくださっているんです。私たちも実際の映像を観ながら思わず「わあ、綺麗だなあ……」って漏らしてしまうぐらい、本当に美しいシーンになっていると思います。
中尾:漫画と現実の良い合間を、とてもうまく撮っていただいたなという印象です。光とか画角とか、本当に綺麗なのでぜひ観ていただきたいですね。
――お互いの印象を教えてください
中尾:最初は結みたいな“キュルン”とした方が来るのかなと思っていたんですが、実際にお会いすると、すごくお姉さんという印象で。でもお芝居が始まるとすぐに結の“キュルン”という感じになったので、プロデューサーとも「すごいですね!」と話していたぐらいなんですよ。
三輪:中尾さんとは今回が初共演だったのですが、クールな宗一とは違って、すごく楽しませてくれる人なんですよ!おかげで笑顔の絶えない撮影現場になりました。本当に楽しくて明るい人だし、宗一とはまた違った魅力があるなと思います。
中尾:嬉しい……。
――共演する中で発見した、お互いの意外な一面はありましたか?
中尾:三輪さんは、現場で全然愚痴を言わないんですよ!素晴らしいと思いました。僕なんて「疲れた、腹減った」ってすぐ口に出しちゃうのに、三輪さんは一切そういう発言がなかったですね。もちろん元々ないとは思うんですけど、汚い部分を見られずに撮影が終わったなと思いましたね(笑)。ずっと裏表のない明るい方でした。
三輪:「それはもう、結になり切っていたからだと思います!(笑)
――三輪さんから見た中尾さんの姿はどうでしたか?
三輪:休憩中ずっと、少しでも時間があれば目をつぶってるんですよ。そんな短時間でよくそんなに寝られるなと思って、やっぱり疲れていたんですね(笑)。ぱっと見たら寝ているので、どこでも寝られちゃう方なんだなと思いました。すぐに眠れるのがうらやましかったですね(笑)
中尾:「そうなんですよ、僕どこでもすぐ寝られちゃうんですよ!
――撮影中、印象に残っているエピソードがあれば教えてください
中尾:ベッドシーンの撮影とか、1日中ずっと撮るので長いんですよ。だからちょっと感覚がおかしくなってきて、慣れてきちゃって気づいたら「あ、タオルタオル(巻いてなかった)」みたいなことがありましたね。怖い怖い!(笑)
三輪:確かにそうなっちゃいますよね(笑)。周りの方々の方が「大丈夫?」ってすごく気にしてくださる感じで。
中尾:朝5時から夜の11時まで撮影していることもありましたし。
三輪:家族より長い時間一緒にいたわけですもんね。でも、すごくリラックスして臨めた現場でした。
中尾:キャスト・スタッフ一丸となって撮った感じがすごかったんですよ。
三輪:しかも撮影がすごく早いんですよね。最初は撮りきれるか不安なところもあったんですけど、みんなの団結力がすごかったので、乗り切れましたね!
――“危険な大人の純愛作品”と題していますが、今、何か愛情を向けているものはありますか?
中尾:僕はずっとワインが好きなんですが、特に赤ワインを、ちゃんと知識を持って飲もうと思い始めていて。好きなブドウの品種とかはあるんですけど、もっと詳しく知識として入れようかなと思って、ワイン愛、ワイン熱が今高まっていますね。
三輪:最近仲のいい友だちに赤ちゃんが生まれて、その子に会いに行くのがもう楽しみで!その子が、私のことをママって言ってくれることがあって(笑)、本当にかわいいんです!もう自分の子のように愛情を注いでいますね。
――最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします
中尾:愛されることの幸せを感じていただけるドラマだと思いますので、「恋っていいな」「恋したいな」「ぬくもりを感じたいな」とか、そういうことを感じ取っていただけたらすごく嬉しいです!
三輪:キュンキュンするポイントがたくさんあるドラマで、結や宗一たち登場人物の成長が見られる作品でもありますので、ぜひそこにも注目して楽しんでいただけたらと思います!