
本作では與が自らの人生を振り返り、カミングアウトするまでの人生と、カミングアウトした後のそれを赤裸々に明かす。幼少期に感じた違和感やそのエピソード、アーティストデビューを果たすも誰にも言えない悩みを抱え孤独感を味わっていたこと、自分らしい人生を送るためにロサンゼルスへの留学・移住を決断したことなど、ファンの前でカミングアウトするまでの出来事や、その時々に抱いていた感情を丁寧に記している。これまでの人生には大きな葛藤や苦悩がありましたが、逃げることなく向き合い、自問自答を繰り返し、ついに世間にカミングアウトすることを決意する。自分らしく生きられる道を自らの手で切り開こうとする前向きな姿勢が、読む人に勇気や希望を与える一冊となっている。
紺の煌びやかなジャケット姿で登場した與、本作が発売された心境について「幼少期の頃から僕がゲイであることをカミングアウトした前後の気持ちだったりとか、あとは恋愛のこととかも、オープンに書いてるのでいろんな方がどう思ってくれるのかっていうワクワクとドキドキの気持ちでいっぱい」と吐露。また、本作で恋愛などを執筆することは「正直ほんとうに迷った」と明かす與だが、すでに本作を手に取った人たちから感想も届いてるそうで「僕のファンじゃない方たちもたくさん読んでくれてて、これは本当に今までと大きく違うなってすごく感じてます。ほんとにありがたいなと思いながら、いろんな方からたくさん良いコメントをもらって、毎日幸せに生きてます」と喜びを口にした。
カミングアウトを決意した理由を問われると、大きく2つあると話し「LAに住んでた時、散歩をしててふといつか自分のパートナー、家族、友達、仕事仲間とみんなでハウスパーティーができたらいいなと思ったんですよね。皆さんたぶん経験ある方も多いんじゃないかなと思うんですけど、僕にとってはすごくハードルが高くて、でもそういう世界が自分にも来たらいいなって。普通の生活がしてみたいなって。みんなでワイワイしながら、自分を隠すことなく生きていきたいなって思った」と告白。続けて「もう1つは、僕は小さい時に精神的にもやられましたし、隠さないといけないことがあるって結構辛くて、それを1人で抱え込まないといけないっていうのが思っている以上に辛いので、未だにその辛さを感じてる人たちはこの世の中にいるなと思って。僕がカミングアウトすることによって、1人でも多くの方がそれでちょっと気持ちが楽になってくれたらいいなと思った」と明かした。
だが、カミングアウトは「個人それぞれでいいと思う」と話す與。「死ぬまでずっと1人で抱え込むのはできるだけ避けてほしいなと僕は思っています。自分も隠してたときと今を比べると失ったものがたくさんあります。けど、得たものの方がでかいし、隠してた時の方が辛い思い出がいっぱいある。『いや、そんなの言っても言えないよ』って人は1人でもいいから、ほんとに自分を愛してもらえる人を探す旅に出てほしいなって僕はよく言うんですけど、その1人を探してほしいです」と語った。
最後に、プライベートで挑戦したいことを聞かれると「仕事は今ほんとに楽しくて、隠すことがないとこんだけ素晴らしいことなんだってぐらい楽しく仕事をやらせてもらってるんですけども、いつかまたフルライブをやりたい」とライブへの意欲をみせ、「カミングアウトしても、また人が来てくれたり、僕の音楽を聴きたいと思ってくれる人、ライブにきたいと思う人がまた増えたらいいなと思いながら今アルバムを制作してる。アルバムも自分の経験だったり思ってることを隠さずに曲にできるので、本当に1個1個のプロセスがすごく楽しくて、結構スタジオにこもったりしています。なので、いつかまたライブができたらいいなと思って、良い音楽を作って、良いパフォーマンスをしたい」と今後の目標を掲げた。