この度、特集上映の開催を記念し、HDリマスター版による『ヌードの夜』の特報が、完成。ヤクザを殺した女・名美(余貴美子)と、その女に惚れた何でも屋・紅次郎(本名は村木/竹中直人)によるハードボイルド・サスペンス。運命的な出会いを果たしたふたりは、その後、大きな事件へと巻き込まれていく。
この度の特報では、「恋人の代行…やっていただけません?」という名美(余貴美子)のモノローグにあわせ、傷だらけの紅次郎、緊迫した表情を浮かべる名美のカットに続き、紅次郎が、ヤクザの仙道(椎名桔平)に拳銃を向けながら「頭がぼーとしてて、あと何十発もぶっ放したくなってきた…」と一触即発の状態。「結婚してくれなんて言いません…」とささやく名美に対し、「いいですよ…おやすい御用だ・・・」と紅次郎。赤いネオンを介しながら「じゃあ…キスしてください」と目を閉じる。
劇作家、脚本家、そして映画監督の石井隆が、幾度となく描き続けてきた、男と女の運命的な捻(ねじ)れた純愛。村木と名美…男女の運命の行方はいかにー。ぜひ、本作のHDリマスター版を、大きなスクリーンでご覧ください。

さらに、石井隆の命日(5月22日)にあわせ、命日の翌日に、特集上映「石井隆Returns」の【先行上映イベント】の開催が決定。『ヌードの夜』HDリマスター版の上映と共に、竹中直人とライムスター宇多丸によるトークショーを実施。当時の撮影当初のエピソードから、監督の人柄や魅力などを語る予定。5月9日(金)よりチケット発売がスタートし、来場者には、劇作家でもある石井隆監督自らが書き上げた【名美イラスト原画】のポストカードを、全4種よりランダムで1枚プレゼント。

数多くの石井隆監督作品に出演してきた盟友・竹中直人と、石井隆ファンを公言している、ライムスター宇多丸より、この度の特集上映の開催に向けて、コメントが届いた。

■竹中直人
石井隆監督作品はいつも濡れている。そして朽ちている。やるせなくはかなく残酷でかなしい。そしてなんとも言えない毒がある。決して誰もが観る映画ではない。好きな人はめちゃくちゃ好き。嫌いな人は全く嫌い…。こりゃ一体どう言う事だ…。どう言う事でもない。石井隆監督は永遠って事なんだ。

■宇多丸(RHYMESTER)
途轍もなく恐ろしく(なんなら“リアルに”!)おぞましいのに、まるで昔から馴染んだ悪夢のように、なぜか繰り返しそこに戻りたくもなる……私にとって石井隆ノワールは、そんな言わば「夢幻的修羅場」に満ちた、魔の時空だ。そしてそれは言うまでもなく、劇場の暗がりに身を潜め、息を殺して、目撃すべきものなのだ。