
この日、本セレモニーで特別賞を受賞した『MIRRORLIAR FILMS Season7』の監督を代表して登壇した加藤。
トロフィーを受け取った加藤は「この度は『MIRRORLIAR FILMS Season7』が特別賞をいただいたということで、大変光栄に思っております。しかしながら、このプロジェクトは地方創生というテーマと新人クリエイターの発掘という部分もあるので、僕がこの場に立たせてもらうのは少しおこがましいと言いますか、あくまでSeason7の1つの作品を通っただけではある」と恐縮しつつ、「『MIRRORLIAR FILMS Season7』まで続けてきたこの道のりが評価されたことは大変嬉しく思っております。映画っていうのは監督してみて思いましたけど、たった1人では作れずに、本当に多くの方の上で成り立っています。今日はこの場に来られなかった監督、キャスト、スタッフ、関わってくださった全員の思いの結晶がこのトロフィーなのではないかなと思って受け取らせていただきました」と受賞の喜びを語った。
映画監督として面白かった点を聞かれた加藤は小説家としての側面も話しながら「小説っていうのは全て自分の中で作り上げていくんです、物語もそうですし、文章もそうですし、脳内で1人で作り上げていくんですけど、今回映画に携わらせてもらって、映画っていうのは1人で作るものではないんだなっていうのを改めて実感しました。いろんなスタッフの方々の協力があって成り立っていくので、本当に多くの人たちのチームプレイってことが面白かったですね。かつ楽しかった一方で、すごくこのチームでなかったらきっと難しいんだろうなというぐらい良いチームに恵まれた。つまり、チーム次第でほんとに映画の良し悪しが決まるんだなと思いました」と監督業の魅力を熱く語った。また、撮影を行った東海市の温かさにも触れ「喜んで撮影に協力してくださったので、それはもちろん東海市の方々の人柄もあると思いますし、映画作りを楽しんでくれる町があるんだなっていうことに感動しました」と感謝を述べた。
さらに、会場では『MIRRORLIAR FILMS』プロデューサーの阿部進之介、俳優の山田孝之からビデオメッセージも上映された。最後に会場の加藤へ「しげ~」と山田が緩く呼びかけると場内からは笑いが。加藤は「軽いっすね!なんか温度差がすごかったですね」とツッコみながらも「嬉しいですね」と笑顔をみせていた。
今年27回⽬を迎えた映画祭のテーマは「creative active generative」。世界中のフィルムメイカーたちの”creative”が集結する映画祭は、作品とオーディエンス、クリエイターと企業が出会い、新たな化学反応が⽣まれる場を、”active”に創出していきたい、また、「⽣成AI」にも通じる新たなテクノロジーで新時代のクリエイティブを⽣み出していきた(”generative”)というSSFF & ASIAの現在地と未来図をテーマに映画祭を展開。今年は、世界108の国と地域から4,592点の応募の中から選りすぐりの約250作品をリアル会場&オンライングランドシアターで上映する。