
1960年9月20日に開業した映画館「丸の内 TOEI」が、2025年7月27日に閉館となる。約65年という長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトとして、5月9日(金)から7月27日(日)まで傑作特集上映が行われている。
『ビー・バップ・ハイスクール』は1983年から2003年まで「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載していたきうちかずひろの漫画作品で、ツッパリ留年高校生コンビのヒロシとトオルが喧嘩や恋に明け暮れる姿を描いた「ヤンキーもの」の代表的作品。主人公の二人は喧嘩にめっぽう強いものの向かうところ敵無しというわけではなく、お茶目な一面も持ち合わせた不良高校生の日常風景を等身大に描く作風が当時の中高生を中心に人気を博した。講談社の漫画本において、同作コミックス第8巻が記録した初版発行部数227万部という驚異的な数字は、2014年に『進撃の巨人』第13巻が初版275万部を発行するまでの26年間破られることがなかったのは有名な逸話である。そんな大人気コミックスが1985年に仲村トオルと清水宏次朗のW主演により映画化されると大ヒットを記録し、1988年まで全6作品が制作される大人気シリーズとなった。いずれも不良映画の金字塔的な作品として名を馳せ、日本映画史上最も成功した漫画原作映画の一つともいわれている。
そして6月28日(土)には『ビー・バップ・ハイスクール』主人公の一人・トオルを演じた仲村トオルの登壇による舞台挨拶イベントが決定。俳優を目指していたわけでもなく、大学生時分にたまたま書店で見かけた雑誌に掲載されていた「映画の出演男性2名募集」の告知を見て、夏休みのバイト先を見つける感覚で履歴書を送ったという仲村にとっては俳優デビュー作でもあり、日本アカデミー賞新人俳優賞も獲得するなど圧倒的な存在感を示した作品でもあり、本作に対する思い入れや共演者との思い出などを語る。