本作は、長編初監督作品『PLAN 75』(22)が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞に輝き、同年のアカデミー賞®日本代表として選出、更に世界各国の映画祭で監督賞にノミネートされるなど、恐るべき評価を集めた早川千絵監督待望の最新作。
80年代後半の夏、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女・フキの物語。
主人公・フキを演じるのは多数の候補者の中からオーディションで抜擢された、驚異の新人・鈴木唯。役柄と同様11歳だった彼女の、真っ直ぐに大人を見つめる視線、この年齢ならではの自然な躍動感、時折見せる寂しげな表情など、スクリーン一杯に広がる瑞々しい演技に誰もが心奪われる。フキの母・詩子役に石田ひかり、父・圭司役にリリー・フランキーと、数々の映画賞を受賞してきた名優に加え、フキが出会う大人たちには、中島歩、河合優実、そして坂東龍汰ら大ブレイク中の若手実力派俳優陣が出演する。
早川監督の『PLAN 75』に続いての出演となった河合は、「今回は唯ちゃんとしか会っていなくて、すごい楽しい人ばっかり出ている映画だったんだなって、今実感しているんですけど」とジャパンプレミアでの和やかな空気を感じながら、「唯ちゃんのありのままの自由な姿、何も縛られない姿がすごく印象的で。撮影前に監督と唯ちゃんと3人で本読みをしたんですけど、その時も思ったことを率直に言ってくれるし、私も普段からもうちょっとシンプルに過ごしても良いんだなと、すごく勉強になりました」と撮影を振り返りながら鈴木の印象を語る。
対する鈴木は、河合について「演技がすごく上手で、憧れの目線というか、先輩かっこいい！みたいな目線で見ていて。淡い水彩画のような、すごい惹かれる演技で、見習いたいなと思いました」と12歳とは思えない言葉選びに、それ受けて河合は「ありがとうございます。嬉しいです」と喜び、「淡い水彩画みたいな人って思った気持ちをそのまま育ててほしいです」と微笑んだ。
