
1960年9月20日に開業した映画館「丸の内 TOEI」が、東映株式会社本社の入る東映会館の再開発に伴い、2025年7月27日(日)に閉館となる。約65年という長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトとして、5月9日(金)から7月27日(日)まで傑作特集上映が行われている。
そして、6月7日(土)に「スケバン刑事」シリーズ作品(テレビ版・映画版)の劇場上映と歴代キャスト登壇による舞台挨拶を開催することとなり、80年代“スケバン刑事”として各作の主演を務めてきた斉藤由貴・南野陽子・浅香唯が登壇。
この3人が“スケバン刑事”関連の上映イベントで揃うのは史上初のこととなる。初代・麻宮サキを演じた斉藤は「当時はそれぞれがデビューしたてで、デビューが同じなんですね。それぞれが40周年で」と話すと拍手が起こり、「その当時は一緒に話す機会が全然なかったし、お互いまだ殻があって緊張していて、心を開いて自分からというのが、特に私は難しかったです。だけど、月日が経ってお互いいい歳になって、久しぶり〜、ってフランクにワクワクして話ができるようになったのが、歳をとるって意外と良いことだなとお二人の顔を見ながら思っていました」としみじみ語る。
二代目の南野も「当時、ヨーヨーの受け渡し式で会ったことはあったんですけど、なかなかお話しする機会がなくて。歌番組とかでは、生放送の番組で本当にドタバタで、当時は喋ることなかったんですけど、こうやって今、まるで毎日いた人のように喋れるので、その関係が素敵だなと思っています」と微笑み合う。
三代目の浅香は「私にとってみたら由貴ちゃんがワクワクしてくださるとか、陽子さんがドキドキしてくださるとか、そんな嬉しい言葉はないなというぐらい、後を追いかけてきた者としては同じ気持ちになれないぐらい。40周年で本当のデビューは同じかもしれないけど、大先輩っていう感じがしています」と恐縮。
そんな浅香の言葉に斉藤は「たまたま初代だから真ん中に立っているだけで、それだけの話です」と謙虚な姿勢を見せ、「『スケバン刑事』は今でこそ受け入れられて、当時は一つの大きなブームにみたいになりましたけど、蓋を開けるまでは一体どうなるかわからないぐらいの、特殊な作品だったと思うんです。結果を知らずに私たち3人は飛び込んでいるわけですよね。特殊な物語に3人とも震えながら飛び込んで、全力を尽くしていたと思うので、作品に出ている時期は違うけど、ある意味、共に戦ったみたいな感覚があるかもしれないです」と、スケバン刑事を経験したからこその繋がりを感じているようだった。
出演が決まった当時を振り返り、斉藤は「私はね、嫌でした。だって合わないと思ったから」笑顔で告白。「台詞がスケバンというのもあったけど、原作で描かれている浅宮サキ像とビジュアル的にもかけ離れていたし、そこに私が、駆け出しで売り出さなきゃいけないから入ったというのが素人なりに分かっていて、私じゃない気がして、最初はもやもやしていたんです」と吐露。
すると南野も「私も最初は困りました。学園ものが決まったよ、とマネージャーさんから言われて」と語ると、ざわつく会場。斉藤が「ものすごく遠回しな言い方だよね」と笑い、「斉藤由貴ちゃんがヒットしていてその後だったので、どうしようって心がかなりビビちゃって。あとは運動がちょっと苦手なのでアクションとかあるんじゃないかとか、言葉も土佐というか良く分からない言葉と、仮面をかぶっていたので、どうしたらいいんだろうと想像ができなかったです」と振り返る。
しかし浅香は「私は全く違いまして。大ヒット作品のオーディションということで、私はまずオーディションから入りました」と2人とはまた違う入り方で、「当時、南野さんが使っていらっしゃった台本を読むのがまず一歩でした。土佐弁で書いていらっしゃったので私も意味が分からないと思いながら読ませていただいたのですが、私は宮崎の出身なので、土佐弁に宮崎弁をかけてオーディションを受けたという」と裏側を明かし、「逆にそれが監督さんやプロデューサーさんは無邪気だなという感じで面白かったみたいで、合格したよ、って聞きました」と出演に至るまでのエピソードを語った。
イベントでは、スケバン刑事の必須アイテムである“ヨーヨー”を持ち、それぞれ決め台詞を披露する場面も。
さらに、斉藤由貴主演の『スケバン刑事』を皮切りに、南野陽子主演の『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』、浅香唯主演の『スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇』のシリーズ3作を、HDリマスター版のBlu-rayBOXで順次発売することが決定した。