
1960年9月20日に開業した映画館「丸の内 TOEI」が、東映株式会社本社の入る東映会館の再開発に伴い、2025年7月27日(日)に閉館となる。約 65年という長い歴史のグランドフィナーレを彩る「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトとして、5月9日(金)から7月27日(日)まで傑作特集上映が行われている。
そして、6月7日(土)に「スケバン刑事」シリーズ作品(テレビ版・映画版)の劇場上映と歴代キャスト登壇による舞台挨拶を開催することとなり、80 年代“スケバン刑事”として各作の主演を務めてきた斉藤由貴・南野陽子・浅香唯が登壇。
この三人が“スケバン刑事”関連の上映イベントで揃うのは史上初のこととなる。
当時、大変だったエピソードを聞かれた斉藤は「もちろんヨーヨーです」と即答。「当時はフィルムで撮られていて、今みたいにダメだったらその上に重ねて収録することができませんから、NGだったらその瞬間に廃棄になるわけです。つまり、NGを出せば出すほど予算を圧迫していくわけですよね。ヨーヨーで26回、1カットでNGを出したことがあって。だってね、考えてくださいよ。歩きながら、ヨーヨーを上げ下げしながら、台詞を喋る。3つの難しいことをいっぺんにやるのは、私は聖徳太子じゃないですから。多分そのシーンでテイク26を出した記憶があって、査収的にはスタッフの皆さんの表情が真っ白くなっていました」と、ヨーヨーに苦戦していたエピソードを披露。
すると、二代目の南野から「でも、26回までNGは大丈夫って言われていました」と明かされると、会場からは笑いが。「でも最初は1回もできなかったです。だけど毎日100回って決めて、色んなことが遊べるようになりました」と努力していたそう。
浅香もヨーヨーについて「私は皆さんが先にやられていて、事前にやることが分かっていたので、ものすごく練習しました!」と話し、「ただ、決め台詞で投げた後のヨーヨーって自分に戻ってくるじゃないですか。その避け方だけは誰も分からなかったのでどうされていたんだろう?と思いながら」と問いかけると、斉藤は「結構、投げて顔に激突とか」、南野は「今はちゃんと戻ってきたりあるんですけど、本来、昔のヨーヨーは横に投げて戻ってきません。投げたら、こういう感じで(頭に激突するジェスチャー)」と、ヨーヨーでの苦労トークに花を咲かせた。
するとイベントでは、スケバン刑事の必須アイテムである“ヨーヨー”を持ち、それぞれ決め台詞を披露する場面も。レプリカのヨーヨーが手元に用意されると、当時について浅香は「子どもたちがすごく楽しみに見てくださっていたので、撮影の時に子どもたちが集まってくるので私は常にポケットにヨーヨーを忍ばせておいて。スーパーに行く時にも常に持っていて、もし声をかけられたら子どもたち相手に、コンビニでもどこでも出してやれるようにしていました」と明かされると、会場からどよめきが起こっていた。
斉藤は「どんなだったっけ?」と迷いながら、「てめえら、許せねぇ!」とかっこよくポーズを決める。
南野は「おまんら、許さんぜよ!」と特徴でもある土佐弁で披露。
浅香は「せからしか!きさんら、許さんわい!」と台詞を発し、会場を沸かせた。また、斉藤の時は南野が、浅香の時は斉藤がマイクフォローに入る姿もあった。
最後の挨拶で、斉藤は「東映には本当に素晴らしい思い出があって、朝眠いのにお化粧してロケに出かけて行ったなとか。(丸の内TOEIが)無くなってしまうのは寂しいですが、新しいステップに行くと思うと感慨深いです」とコメント。
南野は「丸の内TOEIが65年、その間の40年、節目節目でこの場に立つことができてとても嬉しく思っています。もう立てなくなるのは寂しいですけど、そのラストに『スケバン刑事』の3人でここに来れたことは宝物だな、続けてきてよかったなと思います。作品はずっと続いていきますし、(Blu-rayBOXなど)色々出るみたいなので、ずっとこれからもチェックしてほしいと思います」と呼びかける。
そして浅香は「私自身もこうやって、斉藤由貴さん、南野陽子さんと並んで登壇できるということも大変光栄でありがたいことですし、こんなに長いこと愛してもらえる『スケバン刑事』って本当にすごいんだなというのを改めて知ることができました。40年ほど前の作品ですが、皆が一生懸命に作った、魂のこもった本当に素晴らしい作品になっていると思うので、今見ても決して色褪せることはないんじゃないかなと思います」とメッセージを送った。