
原作は、2007年から2022年まで講談社『BE・LOVE』で連載され、シリーズ累計発行部数2900万部を突破する、末次由紀による同名コミック。2016年から2018年にかけて映画化された『ちはやふる-上の句・下の句・結び-』では、瑞沢高校に入学した主人公の綾瀬千早(広瀬すず)が、仲間と共に競技かるた部をゼロから作り、全国大会優勝を目指し、成長していく物語が描かれ、シリーズ累計興行収入45億円を突破する大ヒットを記録した。
本作は、映画『ちはやふる-上の句・下の句・結び-』から10年後の世界。大きな挫折により、青春を諦めてしまった藍沢めぐる(當真あみ)が、顧問として梅園高校に赴任してきた大江奏(上白石萌音)と出会い、競技かるた部に入部し、新たな仲間と共に成長していく姿が描かれる。そして、全国大会出場を目指し、高校最強の瑞沢高校に挑んでいく物語。
主人公・藍沢めぐる役を演じるのは、連続ドラマ初主演となる當真あみ。「元々この作品を見る側だった自分が、まさか参加する形で携わることができて最初は嬉しい気持ちと、でもファンの方がたくさんいる作品というので不安な気持ちもあります」と心境を吐露し、「でも、私がこの作品を見て抱いた憧れや眩しいなと感じるところ、青春に憧れた気持ちを今度は自分が演じる側として届けられたらなと思います」と意気込む。
実際にかるたをやってみて「見えていた景色が憧れからリアルに変わったというか、映画で演じられていた姿が美しくて、でも自分が実際練習でやってみるとすごく難しくて。たくさん努力を積み重ねての完成なんだなと実感しました」と話す。
また、役作りについて苦労した部分を、「1番はかるた練習です。去年の9月頃から月1で集まり、かるたと畳のセットを配られて家で練習して。私が演じためぐるは全くかるたに興味がない幽霊部員で、青春とは無縁の生活を送る女の子なんですけど、かるたをやったことがないというスタンスだったので、初心者のところから成長していく過程は私と役がリンクしているお芝居だったので、難しさを感じるわけではなかったです」と、自身と重なる部分があったとし、「青春とかけ離れているというスタートに色々考えを巡らせて、彼女の置かれている境遇は台本から読み取れるものや自分で考えられるところをたくさん考えて演じました」と振り返る。
また、梅園高校の非常勤講師でかるた部顧問・大江奏を演じる上白石萌音とのシーンが印象に残ったと話し「撮影が始まって、最初は萌音さんとの2人のシーンが多くて。青春から身を引こうとしているめぐるに優しく手を差し伸べてくれる萌音さんとの会話のシーンがたくさんあって、1つ1つのセリフがすごく温かくて、めぐるを通して私にもかけてくださっているような感覚になりながらお芝居をしていました」とコメント。
今作が初共演となった當真と上白石。第一印象は「最初にあった時、心の中で“かなちゃんだ…!”と。『ちはやふる』という作品で会うということでそう思いまして、なので“大江先生”と呼ぶのに違和感がありました」と述べ、「萌音さんは本当に素敵な方で、撮影が始まって最初の方に、近江神社のお守りを梅園の生徒にくださって、それで勇気をいただきました」とエピソードを明かす。
そして、本作の注目してほしい点を、「この作品は、居場所のなさを感じている高校生たちの物語でもあって、それぞれがどこか居場所のなさや生きづらさを感じていて、そんな彼らが生きる道を探して、青春にどうにか辿り着こうともがいて、その中でかるたと大江先生と出会うというすごく奇跡的な出会いを描いています。それぞれ置かれている立場が、主人公というよりそうではないキャラクターたちが多くて。そんな彼らでも、自分たちの力でどうにか手繰り寄せようとしている姿、台本を読んで、皆のお芝居を見て、じんとくるものがあったので、それを画面を通して見ていただけたらなと思います」と語る。さらに、「この撮影を通して、皆が同じところを目指してやっていたというのもあり、本当に団結力がすごくて、それが画面を通しても絶対に伝わると思っているので、高校生のこの時間の有限さも感じていただけたらなと思います」とメッセージを送った。