2019年12月に中国の湖北省武漢市で初めて発生が確認され、2020年に入ってから世界的流行(パンデミック)を引き起こした新型コロナウイルス。過去に未知のウイルスの脅威や感染拡大を描いたパニック映画やサスペンス映画は国内外にいくつか存在したが、本作は世界規模で人類が経験した新型コロナウイルスを事実に基づく物語としてオリジナル脚本で映画化した日本で初めての作品である。

上映後の舞台挨拶ということで、見終わった後の客席からは拍手が送られた。また、本作でモデルになった方からキャストへ熱いメッセージも到着。
松坂が演じた立松信貴のモデルとなった厚生労働省 医政局 保健医療技術調整官(当時)堀岡伸彦氏と厚生労働省 医政局 救急・周産期医療等対策室長(当時)永田翔氏からは「官僚は色々な映画で悪役として描かれがちですが、ほとんどの官僚はまさに「人の役に立ちたくて役人になった」と思っています。スクリーンには映りませんが、当時実際には私たち厚労省とDMATだけでなく、自衛隊や警察、国土交通省、医師会の方々などみんなが「役に立ちたくて」大げさではなく命を懸けて頑張っていました」と当時を振り返り、「お願いしたのは厚労省ですから」と立松のようにさらっと言えるように、次のフロントラインの責任も果たそうとこの映画から力をもらいました」という言葉に、松坂は「堀岡さんたちがおっしゃったように、何か1つのことを決めるのはすごく大変で色んな根回しが必要なんですけれども、この2人の粘り強さがあったから、きっと色んな物事がスムーズに進んで、目の前にある命を救うこともできたんだなと思うと、この役をやれて良かったなと改めて感じます」

【手紙全文】
■堀岡伸彦さん、永田翔さんから松坂桃李へ

官僚は色々な映画で悪役として描かれがちですが、ほとんどの官僚はまさに「人の役に立ちたくて役人になった」と思っています。スクリーンには映りませんが、当時実際には私たち厚労省とDMATだけでなく、自衛隊や警察、国土交通省、医師会の方々などみんなが「役に立ちたくて」大げさではなく命を懸けて頑張っていました。「ルールを変える」そんな立松の行動の裏側には、本当は多くの人の地道な準備や調整があります。実際にはクールな立松のようにスムーズにはいかず、現場の私は何度も何度も「なんとかお願いします」と頭を下げていたことを思い出します。次の健康危機の時もきっと私たちはまたフロントラインに立つはずです。「お願いしたのは厚労省ですから」と立松のようにさらっと言えるように、次のフロントラインの責任も果たそうとこの映画から力をもらいました。立松本当にありがとう!!