
《読売文学賞 戯曲・シナリオ賞受賞》の松田正隆による傑作戯曲を、気鋭の演出家・玉田真也の監督・脚本で映画化。主人公・小浦治をオダギリジョー、治の姪・優子を髙石あかり、治の妻・小浦恵子を松たか子、優子の母で治の妹・阿佐子を満島ひかり、優子へ好意を寄せる・立山を高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚・陣野をフォークシンガーの森山直太朗、同じく同僚・持田を光石研が演じている。
本作で共同プロデューサーも務めている経緯について聞かれたオダギリは「どこまでぶっちゃけて話していいのかがちょっとわかんないですけど」と前置きしつつ、「なかなか簡単に進むタイプの映画ではないんですよね。こういう作家性みたいな作品ってなかなか今お金が集まらなくて、でもすごくいい脚本だし、この脚本がお金が集まらないからやっぱり作れませんでしたじゃもったいないなと思った。少しでも自分に助けられるものがあればこの作品を実現することと、あとはこの作品が醸し出してた2000年代初頭の日本映画の雰囲気を身をもって経験した自分だからこそできる作品作りがきっとあるなと思ったのでそういう2つの側面からプロデュースとして入れさせていただきたいなと思った」と明かす。また、プロデューサーになることでキャスティングの説得材料になればいいと思ったそうで「ここにいるキャストのメンツ見ていただけると、簡単には集まる人たちじゃないんですよ、松さんにしてもね、満島さんにしても」と一人一人の顔を眺めつつ「光石さんはなんにでも出る人なんですけどね(笑)」とオチをつけて会場の笑いを誘った。
イベントでは、本作の内容にちなみ『心に染みた』エピソードを話すコーナーも行われた。トリでの発表となったオダギリは「心に沁みた!」と回答。「心に沁みたなと思ったのは満島さんの甥っ子の話でしたね」と先ほど満島が話したエピソードが心に沁みたと説明すると、ほかのキャスト陣は「ずるいです!」とドン引き。オダギリは「こんなに引かれます?だって、みんなで良いエピソードそれぞれ出すけど記事にそんなできないじゃないですかね?1エピソードなのかなと思うと僕は満島さんかな」と慌てて弁明すると、満島は「ありがとうございます、オダギリ賞いただいた」と笑顔をみせていた。
この日の完成披露イベントにはオダギリのほか、共演の髙石あかり、松たか子、満島ひかり、森山直太朗、高橋文哉、光石研、監督の玉田真也も出席した。