
《読売文学賞 戯曲・シナリオ賞受賞》の松田正隆による傑作戯曲を、気鋭の演出家・玉田真也の監督・脚本で映画化。主人公・小浦治をオダギリジョー、治の姪・優子を髙石あかり、治の妻・小浦恵子を松たか子、優子の母で治の妹・阿佐子を満島ひかり、優子へ好意を寄せる・立山を高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚・陣野をフォークシンガーの森山直太朗、同じく同僚・持田を光石研が演じている。
先日、第27回上海国際映画祭メインコンペティション部門で『審査員特別賞』を受賞した本作、海外での授賞式に参加したオダギリは「もちろん嬉しい。審査員がジュゼッペさんでニューシネマパラダイスを撮った伝説的な方で、その方がイチオシしてくれたということだったのでとても光栄だし、まさかほんとに賞もらえるとは思ってなかったので嬉しかったですね」と喜びのコメント。そんなオダギリの海外での人気に高石は驚いたそうで「待ってる時間が結構あって、その時間にいろんな国の方々がオダギリさんに『写真撮ってください』『サインをください』って多分1番求められていて、そういうところでも『うわ、オダギリさんって世界に名を』というか勝手に嬉しくなっちゃいました」と羨望の眼差しを向けると、オダギリは「いろんなとこで言ってください」と照れつつ会場の笑いを誘った。
印象深いシーンについて聞かれたオダギリは『松たか子の表情』に言及。「最後の松さんとの別れのシーンがあって、その後に優子が帰ってきた時の松さんの表情と言うんですかね、優子に対する振り向いた顔がベストショットと言っても過言ではないぐらい好きですね。言い方はちょっと安っぽくなるんですけど悪役に徹してくれた感というか、松さんのような立場がある女優さんが悪役に徹するのってやっぱり避けたい人もいるだろうけど、さすが松さんって感じですよね」と大絶賛した。
最後にメッセージを求められるとオダギリは「ババンババンバンバンパイアも見てくださいね」とまさかの宣伝に会場は爆笑、「いろんな映画が世の中にはありますけど、向こうもいいし、こちらもいいしっていうことでいろんなそういった、幅の広い土壌の豊かさみたいなものが必要だと思います、文化として。言い方難しいんですけど、メジャーな作品ってなかなか海外の映画祭にはいけないんですよ。そうなると海外から最近日本の映画なかなか来ないねみたいな、なんか面白いの少ないねみたいなことを言われることがあって寂しい気持ちになっちゃうので、少しでもこういう作家性や芸術的な作品も海外に届けられるように、これからも作っていけるような土壌の豊かさを持てればと思ってますので、よろしくお願いします」と話していた。
フォトセッションでは、第27回上海国際映画祭メインコンペティション部門での『審査員特別賞』受賞を祝ってくす玉が割られ登壇者一同満面の笑みをみせていた。