この日のティーチインイベントでは、会場の観客から募集した質問を登壇者が回答することに。
指名された観客が「髙石あかりさん役の優子さんが…」と緊張から逆に答えてしまうと高石は「逆かもしれない!」と慌てながら笑顔でツッコミ。あらためてオダギリジョー演じる治の呼び方についての役作りを聞かれると、高石は「台本にもおじちゃんとおじさんが入り混じっていて、それについても監督と話したことがあったんですけど、人前ではおじさんって言葉を使って、おじちゃんの前ではおじちゃんって、多分優子が意識していないところで、おじさんの前ではちょっと子供っぽい姿が見えるというか、無意識にちょっと甘えたような姿が見られたんじゃないかなという風に自分の中では解釈していました」と真摯に回答するも、そんな優子と演じる中で治として何を意識していたか聞かれたオダギリは「特にはございませんね」ときっぱり言い会場の笑いを誘っていた。

また、高石はオダギリとの印象的だったシーンに触れ「もう私の話になっちゃいますけど、たくさん成長させてもらっていて、水をかけあうってところで個人的にお芝居についてほんの一瞬だけ掴んだ何かがあって、その後に帽子を被せる前の『じゃあおじちゃんありがとうございました』ってお辞儀する時に交わした目線が今でも忘れられなくて『うわ!』って自分の中で思ってる顔をしてると思います。パって見たオダギリさんとの私が感じた繋がりとお芝居の目線は結構強い印象が残っていて大事なシーンです」と明かしていた。

《読売文学賞 戯曲・シナリオ賞受賞》の松田正隆による傑作戯曲を、気鋭の演出家・玉田真也の監督・脚本で映画化。主人公・小浦治をオダギリジョー、治の姪・優子を髙石あかり、治の妻・小浦恵子を松たか子、優子の母で治の妹・阿佐子を満島ひかり、優子へ好意を寄せる・立山を高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚・陣野をフォークシンガーの森山直太朗、同じく同僚・持田を光石研が演じている。