
原作は「本の雑誌」が選ぶ2023年度ベスト10にて第1位、2024年本屋大賞ノミネート、さらに、第9回渡辺淳一文学賞を受賞するなど、各界から注目を集めている。
本作は、心揺さぶる重厚なミステリー作品。1991年に発生し、未解決のまま時効を迎えた前代未聞の「二児同時誘拐事件」。一方の児童は無事発見され、もう一方の児童は行方が掴めないまま3年が経ったある日突然、祖父母宅に姿を現す。しかし、その3年間については固く口を閉ざし続ける…。事件から30年後、新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに事件の真相を追う事に。空白の3年に隠された「真実」とは―。
主演は、米アカデミー賞で最優秀国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』(2021)に出演し、第45回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した実力派俳優・西島秀俊(54)。監督は、『64‐ロクヨン‐』(2016)、『護られなかった者たちへ』(2021)など、日本アカデミー賞優秀作品賞をはじめとする数々の賞を受賞したミステリー作品や『糸』(2020)、『ラーゲリより愛をこめて』(2021)など、多くの世代に愛される感動作を手掛けてきた瀬々敬久(65)が務める。また、本作は数々の名作ミステリーを手がけてきた東映とテレビ朝日の2社が、満を持して挑む共同企画・製作作品。
西島が演じるのは、「二児同時誘拐事件」当時、警察担当の新聞記者だった主人公・門田次郎(もんでんじろう)。旧知の刑事の死をきっかけに、異様な展開を辿った事件の真実を求め再取材を重ねる。西島は、脚本について「二児同時誘拐事件をめぐる手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。」と絶賛。さらに、「観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたいと思います。」と意気込みを明かした。
監督を務める瀬々敬久は、「すこぶる難儀であり、大いなる挑戦になる仕事だと思っています。」「『存在のすべてを』、このタイトルの重さに恥じない映画を、送り届けたいと思っています。」と映画化への心意気とともに、作品への想いを語った。そして、『冷血の罠』(1998)以来27年ぶりの西島とのタッグについて、「主演の西島秀俊さんとは約30年ぶりの映画作り。西島さんの一見柔らかでいながら一気に炸裂する精神に再び出会えることにワクワクしています。」とコメント。一方、西島は「時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです。」と撮影への期待を寄せた。
本作は、2025年8月下旬からクランクインを予定している。
<西島秀俊 コメント>
脚本を読み、二児同時誘拐事件をめぐる手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。
瀬々監督と本格的に映画でご一緒するのは1998年の「冷血の罠」以来になります。
時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです。
観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたいと思います。
<瀬々敬久監督 コメント>
『存在のすべてを』は原作の塩田武士さんが、まさに足で稼いだと言っていい小説です。現実の場所に足を運び、そこの空気を直に感じて書き上げられた小説。想像の産物でありながら現実を超えるようなリアリティはそこから来ている気がします。この小説を映画化する。すこぶる難儀であり、大いなる挑戦になる仕事だと思っています。そして主演の西島秀俊さんとは約30年ぶりの映画作り。西島さんの一見柔らかでいながら一気に炸裂する精神に再び出会えることにワクワクしながらも、この間の30年が自分たちや世界にとってなんであったのか、何を失ったのか。まるで小説の主人公たちが30年前の事件に再び接していく様の写し絵のように今、感じています。『存在のすべてを』、このタイトルの重さに恥じない映画を、送り届けたいと思っています。