高嶺のなでしこにとって、初めてのソウルでのワンマンライブはチケットが即ソールドアウトし、昼公演が追加されての2公演になった。会場のYES24 WANDERLOCH HALLは、夜公演もオールスタンディングのフロア・2階席につめかけたファンで埋め尽くされた。そしてOvertureが流れ、いよいよメンバーがスタンバイすると、最新曲「この世界は嘘でできている」で開演。

8月20日(水)に配信が始まったばかりの5曲連続配信リリースの第五弾で、橋本桃呼のソロパートから始まるメッセージ性の強い楽曲でのライブ開幕も斬新な試みだ。スクリーンにはMVの映像が映し出され、映像とパフォーマンスのシンクロでより熱くファンのハートを動かした。その熱気のままに、続くアンセム的な1曲「誇り高きアイドル」では日本と変わらない一体感あるコールがフロアを沸かせる。さらに「アイドル衣装」「僕は君になれない」と、9人のハモりと、ソロパートで見せる個性豊かな歌声に聴き入る時間が流れた。

メンバーによる恒例の挨拶も韓国語でチャーミングに行い、星谷美来から「ソウルにもたかねこで行きたいねって話してたので、ようやく皆のお顔が見れて嬉しいです。サランヘヨ!」とアピールも飛び出す。「初恋のひと。」でライブに戻れば、冒頭の松本ももなのソロパートで客席から「ももな!」とひときわ大きな歓声があがり、切なくもピュアな感情を歌い上げるメンバーに酔いしれた。
甘くてかわいいメロディーの「メランコリックハニー」「ヒロインは平均以下。」とちょっぴりあざとさも込めてパフォーマンスしていく9人に、フロアからのファンの声量もいっそう熱気を帯びていく。「乙女どもよ。」「初恋のこたえ。」とさらにメンバーとファンの距離感が縮むような青春ラブソングが続き、とりわけ「初恋のこたえ。」でのMV映像をバックにしてのダンスは、この夏ソングの爽快感をいっそう高めた。

と、ここで撮影可能タイムに突入。TikTokを介して海外でもブレイクした「可愛くてごめん」、高嶺のなでしこ史上屈指にキュートであざとい「Cute for life」と、ファンサービスするメンバーの姿をファンは思い思いに写真や動画に収めていく。そして「LOVE ANTHEM」に始まるラストスパートは疾走感のある楽曲が続きヒートアップ。

「LOVE ANTHEM」大サビでのステージとフロアが一体となってのジャンプから「アドレナリンゲーム」での「揺らせ!高嶺のなでしこ!」のコール&レスポンスがさらにボルテージを上げていく。続く「決戦スピリット」も籾山ひめりのパワフルなソロパートに始まり、「跳べ!」とステージから煽っていくメンバーに応え、ファンもジャンプや盛大なコールで応えていく。大サビでもステージとフロアが一緒に拳を突き上げ、「Wow Wow」と力強いハーモニーを響かせた。

そして誇り高いアイドルでいる覚悟を歌った昨年のメジャーデビューシングル「美しく生きろ」を披露。ソウルで初めてのライブができた思いをぶつけるようなパフォーマンスで、日本と変わらぬ熱気のまま本編を終えた。
アンコールを求めるファンの声に応えて、9人はステージに再集結すると「恋を知った世界」で再びファンを酔わせる。そして涼海すうが「ファンの皆様の声援、コールが大きくてうれしかったです。カムサハムニダ!」と話せばフロアから「すう~!」コールが飛び出す。

最後には、王道のHoneyWorksサウンドがハートを揺さぶる「ファンサ」でステージのメンバーもフロアもコール&レスポンスを楽しみ、「I’M YOUR IDOL」での9人の息の合った歌とフォーメーションには、ファンもクラップで喜びを伝えた。

ステージを去る最後の瞬間まで「カムサハムニダ!」「サランヘヨ」と感謝を伝えるメンバーにファンからも「たかねこ最高!」と熱い声援が飛び出し、ソウルでの興奮を皆で分かち合ってライブは幕を下ろした。
4月からの5曲連続配信リリースに、6月には広州と上海でワンマンライブを開催と、春から夏を熱く駆け抜けてきた高嶺のなでしこ。9月7日(日)の3周年ライブに向けて、さらに弾みをつけたソウルでの1日だった。

Photo by kimgahyun/Text by 大宮高史

<セットリスト>
Overture
M1 この世界は嘘でできている
M2 誇り高きアイドル
M3 アイドル衣装
M4 僕は君になれない
M5 初恋のひと。
M6 メランコリックハニー
M7 ヒロインは平均以下。
M8 乙女どもよ。
M9 初恋のこたえ。
M10 可愛くてごめん
M11 Cute for life
M12 LOVE ANTHEM
M13 アドレナリンゲーム
M14 決戦スピリット
M15 美しく生きろ
(ENCORE)
EN1 恋を知った世界
EN2 ファンサ
EN3 I’M YOUR IDOL