
作家・村井理子氏が実際に体験した数日間をまとめたノンフィクションエッセイ「兄の終い」をもとに映画化した『兄を持ち運べるサイズに』は、絶縁状態にあった実の兄の突然の訃報から始まる家族のてんてこまいな4日間の物語。
宮沢りえ主演『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞・報知映画賞など多くの映画賞を席捲、二宮和也主演『浅田家!』では、国内の大ヒットのみならずフランスでも大ヒットを記録した中野量太監督の5年ぶりの新作。
主演を務めるのは、マイペースで自分勝手な兄に幼いころから振り回されてきた主人公の理子役の柴咲コウ。共演に、家族を振り回す原因となる、映画史上稀にみるダメな兄ちゃんを演じるオダギリジョー、兄と一時は夫婦でありながらも、ある理由で離婚した元嫁・加奈子を演じる満島ひかり、兄と加奈子の娘で両親離婚後は母と暮らす満里奈を演じる青山姫乃、二人のもう一人の子供で最後まで兄と暮らした息子・良一を演じる味元耀大。実力はキャストがそろい、泣き笑い、時々怒った兄を送るためのてんてこまいの4日間を紡ぐ。
また本作は、9月17日~9月26日に韓国・釜山で開催される第30回釜山国際映画祭のOPEN CINEMA部門に、正式出品が決定し、映画祭のレッドカーペットセレモニーには主演を務めた柴咲コウが参加予定。
そんな国際映画祭への出品も決まり、より注目を集めている本作の予告編が完成。
母の葬儀中、人目をはばからず泣きながら「かぁーちゃん」と叫びながら木魚を叩き続ける兄。そんな、「大嫌いだった兄」を冷ややかな目で見つめる主人公の理子。いびつな兄妹の関係がこの葬儀のワンシーンだけでも浮き彫りとなっている。そして「突然兄が死んだ」という驚きの急展開で、予告編は始まる。 <ダメ兄>の急死をきっかけに集まった、妹、元妻、娘と息子の4人。兄と息子が暮らしていた散らかり放題の家の掃除をしていく中で、幼少時代の写真・壊してしまった家族の写真を大切に飾っていた兄に少なからず気持ちが揺れる理子。「身勝手で落ち着きがなく、一人では生きられない人だった」上、多額の借金を作ったことで離婚した兄に同じように迷惑かけられたはずの元嫁から、「理子ちゃんには、あの人の知らないこところがあるのかなって思っちゃた」と言われ、思わず「じゃ、教えてよ」と言い返してしまう。兄は理子に、家族だからこそ言えなかったことがあったのだろうか…。「ねぇ兄ちゃん、最後に一つだけ聞いていい?」理子が最後に、聞きたかった言葉とは?亡くなった兄の「理子はこの先も生きていくんだから、自分で答えを出さないと」という言葉に秘められた思いとは? 誰もが観終わった後に、自分の家族を想う本編を垣間見える予告編が完成した。
そして、本ビジュアルは家族が兄のパネルを持ち運ぶ、タイトルをそのまま表したよう。ティザービジュアルでは軽やかな黄色に彩られていたビジュアルが、ある建物から兄を持ち運んでいる背景に変わっている。兄の急死をきっかけに、個々が“家族”を見つめなおした4日間の始まりを感じさせるビジュアルになっている。