本作は、歴史の陰に埋もれたアメリカ統治下の沖縄の真実を描き切った真藤順丈氏の直木賞受賞作を二度の撮影延期の危機を乗り越えながら完成させた魂のプロジェクト。混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者たちの姿を圧倒的熱量と壮大なスケールで描く。

劇中ではオン(永山瑛太)の恋人でグスク(妻夫木聡)とレイ(窪田正孝)の幼なじみ。小学校の先生になり、最愛の人の帰りを待ちつづけるというヤマコを演じた広瀬、本作の現場で『一生分泣いた』とインタビューで語っていたことに触れられると「枯れそうでした、枯れてました」ときっぱり。続けて「すごくエネルギッシュな魂が宿ってる現場が続いていて、そこのエネルギーがものすごく強くて、食らうし、吸い取られるし、どんどん寂しくて寂しくて。1人のシーンも後半になると増えていって、ちょっとした景色、音だけでも、すごく沖縄のパワーを感じながら撮影してた」と感慨深そうに話し「本編見ても泣いてるな~って(笑)。現場ですごく実感があったわけではないんですけど、とても素直な感情でいたらそういう心情だったなって改めて後から思う感覚です」と大友組での撮影を振り返った。
すると横で聞いていた窪田も「すずちゃんが言った通り本当に枯れ果てるまで大友さんは走らせるし戦わせるし、何度やっても『もう1回!』ってまたかよと思う瞬間は皆さんありましたよね?」と少しばかりの愚痴をこぼしながら「1番現場で少年のように楽しんでるのは監督なんですよね。その少年のように楽しんでる監督を見ると『またかよ!』って思う気気持ちもごめんなさいって思う、もっと出さなきゃいけないんだって思える」と大友監督の撮影現場での姿勢を称賛しつつ、最後に「でも、大友組は大変です」とぶっちゃけ会場を笑わせていた。

この日9月19日(金)の公開に先立ち開催された映画『宝島』東京プレミア、上映後に行われた舞台挨拶には主演の妻夫木聡をはじめ、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮(とろサーモン)、デリック・ドーバー、監督の大友啓史が出席した。