Ⓒ2025『恋に至る病』製作委員会

今回、W主演の長尾謙杜山田杏奈に加え、主題歌を担当したSaucy Dogの石原慎也を交えたスペシャルインタビューが実現。まず初めに主題歌「奇跡を待ってたって」を聴いた印象について、本作で内気な性格だが芯のある宮嶺を演じる長尾は、「歌詞を見た時に映画の内容がすっと入ってきて、改めて主題歌を通してこの映画を語ってくれているような感じがしました。僕たちも撮影の日を思い出しました」とコメント。
クラスの人気者だが、実は裏があるヒロイン・景を演じる山田は、「初めて楽曲を聴いた時に、『撮影頑張ったね』と言ってもらえたような気がしました」と語り、石原の歌声に心を強く動かされたことを明かした。主演の2人から絶賛の声を聞いた石原は、「嬉しいです。とても素敵な映画で、曲も含めて映画がきちんと締まるように作りたいと思っていたので、いい感じにできたんじゃないかなと思います!」と楽曲への手応えを語った。
長尾と山田から、キャストの目線で気になっていた質問として、一般的に楽曲を制作するときと、主題歌として楽曲を提供するときの作曲スタイルの違いを聞くと、石原は「主題歌として楽曲を提供するときは、作品のストーリーがあるからそれを邪魔したくないし、ストーリーに合わせたいと思っているので、先に絶対原作や脚本を読ませてもらっています」と、原作に忠実に進めていくスタイルだと告白。一方で楽曲提供ではない形で曲を作る時は、「自分で新しくストーリーを作って書かないといけないから、また別の大変さがあります」と2つの違いについて語った。
山田から主題歌「奇跡を待ってたって」の制作過程について聞かれると、石原は「今回に関してはギターのリフが先に思いついていて、“このリフ使いたいな。絶対合うんだけどな”と思って、そこからAメロの歌詞を考えました。以降は基本的に歌詞が先で、最後まで仕上げていきました」と楽曲制作の貴重な裏側を語った。

主題歌「奇跡を待ってたって」の中で、主演2人のお気に入りの歌詞のフレーズについて伺うと、「羽が生えただけの塊になった」というサビ前のフレーズを挙げた長尾。それに対し石原は、「羽が生えただけの塊って、怪物や化け物という風にも見えるじゃないですか。その生き物と生き物ではないものの間を表現したかった」と、歌詞に込めたきめ細やかな工夫を語り、長尾を唸らせた。加えて楽曲について山田は、「全体を通してこの映画は“蝶”がキーワードになっているんですが、直接表現せずともそれが伝わってきます」と、本作のモチーフの一つとも言える“蝶”について言及。劇中シーンを彷彿とさせる歌詞のひとつひとつが非常に印象深い楽曲の続きは、ぜひ映画館でチェックしてほしい。

最後に、長尾演じる“内気だけど自分の気持ちに真っ直ぐな宮嶺”か、山田演じる“明るくて人気者だが裏がありそうな景”、自分はどちらに近いか?というクエスチョンに対し、石原が「(宮嶺)望かな…。人見知りなんで実は…」と回答すると、「私もです」と石原に同意する山田。
それに対し長尾は、「内気ではないし、どちらかというと景かな…家で映画やドラマを見ていても外に行きたくなっちゃいます。」とアウトドア派の回答。「前から決まっていた予定だったら、そこに向けてマインドを持っていけるけど…」と、インドア派の山田が返すと、長尾は、「布団に入って寝る時に、“今日一日このままで終わっていいのかな?”って考えるんですよ。出かけたら違う人生が待っているかもしれない!」というポジティブな意見に、インドア派な2人も「確かに」と納得の様子だった。

本作は、原作がミステリ・サスペンスジャンルと恋愛ジャンルを縦横無尽に横断する俊英作家・斜線堂有紀による小説『恋に至る病』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)。2020年3月末に発売するや否や、TikTokの書籍系アカウントによる紹介動画の再生回数が200万回を超える大反響を記録し30回を超える重版を繰り返している衝撃の恋愛小説を実写映画化。