本作は、鑑識課警察犬係のハンドラー・青葉一平(池松壮亮)だけになぜか相棒の警察犬・オリバーが、酒と煙草と女好きの欲望にまみれた犬の着ぐるみのおじさん(オダギリジョー)に見えてしまうという奇抜な設定に話題を呼んだNHKドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』の劇場版。
この日の舞台挨拶にはオダギリをはじめ、池松壮亮(青葉一平役)、麻生久美子(漆原冴子役)、永瀬正敏(溝口健一役)が出席した。

脚本・監督・編集・出演を務めた本作が、ついに公開初日を迎えた感想を聞かれたオダギリは「脚本書いてる時から考えると3~4年ぐらい共に過ごしてきた作品がようやく見ていただけることになってとっても嬉しく思います」としみじみ、続けて「3年近くの時間をいろんな方と共にしてきてどうにか毎日を乗り越えてきましたし、今日までの宣伝、いろんなチームに助けられてようやくこの日を迎えられたことにまずは感謝してますし幸せだなと思ってます」と公開された喜びを噛みしめた。

プロモーションでは岡山県警の1日警察犬に選ばれたり、始球式で見事なピッチングを披露、50匹のわんこ向けにアピールするなど公開前から“オリバー祭り”として話題を集め続けてきた本作。その活動に関して池松は「僕は参加できてないんですけど、参加したかったですね。いろんな宣伝をオダギリさんがやってるなっていうのを嬉しく見てました。個人的には始球式でオリバーが投げたボールをキャッチしたかったなと思いました」と悔しそうな表情を浮かべる。対して麻生はわんこ試写会にお忍びで参加したことを明かすと「やっぱり犬に映画を見せる試写会って多分もう2度と見れないかなと思って、わんちゃんたちに舞台挨拶をするオダギリさんの姿がどうしても見たくて(笑)」と話し、現地の雰囲気を聞かれると「すごく真面目に聞いてました」と驚きつつ「1匹オダギリさん見て遠吠えしてって可愛かったです」とぶっちゃけと、オダギリは「ほんとに遠吠えしてて意味が分からない(笑)」とつぶやき会場を笑わせた。
さらに親子試写会について触れたオダギリは「意外だったのが子供があんなに楽しんでくれるって思ってもなかったので、分かりにくいって言われることもあるのに子供はすごく無邪気に声を出して笑ってた」と振り返り、「だから大人の方が難しく考えすぎちゃって意味を取りすぎたりとか余計な意識が働いてるのかもしれない。意外と子供のピュアな気持ちで見れればこの作品はまた違う姿で楽しんでもらえるのかもしれないです。すごく良かったのが子供って周りを気にしないんでがやがや見るんですよ。笑いを我慢するとか音を立てないように見るって息苦しさは窮屈でもあると思うのでこの作品に関しては誰も気にせず騒ぎながら見てもらいたいとは思ってます」と呼びかけた。
この日のイベントでは偽物オリバーによるブレイクダンスも行われ会場をさらに盛り上げていた。