本作は、鑑識課警察犬係のハンドラー・青葉一平(池松壮亮)だけになぜか相棒の警察犬・オリバーが、酒と煙草と女好きの欲望にまみれた犬の着ぐるみのおじさん(オダギリジョー)に見えてしまうという奇抜な設定に話題を呼んだNHKドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』の劇場版。
この日の舞台挨拶にはオダギリをはじめ、池松壮亮(青葉一平役)、麻生久美子(漆原冴子役)、永瀬正敏(溝口健一役)が出席した。

脚本・監督・編集・出演を務めた本作が、ついに公開初日を迎えた感想を聞かれたオダギリは「脚本書いてる時から考えると3~4年ぐらい共に過ごしてきた作品がようやく見ていただけることになってとっても嬉しく思います」としみじみ、続けて「3年近くの時間をいろんな方と共にしてきてどうにか毎日を乗り越えてきましたし、今日までの宣伝、いろんなチームに助けられてようやくこの日を迎えられたことにまずは感謝してますし幸せだなと思ってます」と公開された喜びを噛みしめた。
さらに映画館で映画を受け取ってもらえることについて「映画館で見る機会が少なくなっているということはよく耳にする」と前置きしつつ「ただ映画館でしか経験できないこともたくさんあって、今日も見ていただいてとても共感してもらえると思うんですけどこの空間で聞く深津さんの歌とかすごいじゃないですか」と深津絵里に言及。続けて「もちろん深津さんの芝居もこのでかいスクリーンで見るのも迫力あると思うんですけど、音の環境ってなかなか再現できないですし、音だけでなく画面の構成にしても映画館で見るために作って映画館で楽しんでいただくために全てを設定しているのでこれはほんとに映画館じゃないと100パーセント伝わりきらないだろうなとは思ってます」と映画館で映画を見る醍醐味を熱弁した。

さらに公開されたことでようやくキャラクターの全貌が明らかになった深津の話題に及ぶとオダギリは「素晴らしいじゃないですか。本物の芸術を目の前で見せてもらってる感じ」と大絶賛しつつ「すごかったですね…それは麻生さんからはやっぱ感じられないもの」といじると、麻生は「ちょっと、すぐそこで私の名前出すんだから!ほんとやめてください!」とすぐにツッコミ。その反応に笑いながらオダギリは「現場で麻生さんに説明したのは、深津さんはゴディバでちゃんとしたチョコレート、麻生さんは10円チョコ。そういうわかりやすい比喩と言うんですか」と現場でもいじっていたことを説明すると、麻生は「ひどいですよね。でもその後フォローしてくださって『でもやっぱり安いチョコも美味しいじゃない。たまに食べたくなるじゃない』って言われて私も確かに好きだし」と納得したそうで「だからよかった、別にそんな傷ついたりはしてないです」とお互いに笑顔をみせていた。