
本作は、アニメ「オッドタクシー」(テレ東)の脚本で知られる此元和津也が原作・脚本としてオリジナルストーリーを書き下ろし、映画「もっと超越した所へ。」やドラマ「忘却のサチコ」(テレ東)などTVドラマや映画のディレクションを数多く手掛ける山岸聖太が監督を務める。街の小さなバーガーショップ“シナントロープ”を舞台として、現代の若者たちを投影したリアルな人間模様と不穏な世界観の中で緻密な伏線や巧みな会話劇によって美しくエモーショナルに描かれる青春群像ミステリーとなっている。
この日の記者会見にはバーガーショップ“シナントロープ”メンバーの水上恒司、山田杏奈、坂東龍汰、影山優佳、望月歩、鳴海唯、萩原護、高橋侃が集結した。
劇中の衣装で登場した山田、本作の見どころを聞かれると「この彼女彼らでしか起こり得ない瞬間、青春みたいなのをすごく感じつつもその中で『あらっ?』って思うようなちょっと不穏な動きがある」と説明しつつ「きっとみんなすごく前のめりになって興味を持ってもらえる。青春群像劇なんですけどいろんな要素があるっていうのが見どころ」と魅力をアピールした。
また舞台となる“シナントロープ”は実際の店舗をバーガーショップとして作りこんで撮影されたそう。山田は撮影時について「夏の撮影だったので冷房が効くところもあれば効かないところもある」と前置きし、「バックヤードがすっごい暑いので最終的にバックヤードの隣にある大きい業務用冷凍庫にみんなで入る」と裏話を告白。影山は「元々実際の飲食店だったからこその設備がすごい整ってた」と驚きをみせ、坂東は「みんな半凍りでした(笑)」と振り返った。
さらに会見後半には原作・脚本を担当する此元からサプライズで手紙が披露される場面も。「山田さんは、強さ・鋭さ・儚さが同時に立ち上がり、視線一つでこちらを射抜く瞬間がありました。その三つが揺れる最中、言葉をそっと抑えた一瞬で強さを示す。その選び方がとても美しかったです」とMCが代読すると、山田は「なんて美しい言葉の数々なんだろう」と感慨深そうに話し、「脚本を書かれた此元さんご自身がそれを演じた私たちの姿をそういう言葉で披露していただいたってことにまだしっかり噛み砕く時間が欲しい。確かに此元さんが書かれた役柄と私たちがやることで出てきたそれぞれのキャラクターっていうのはまたちょっと違っているところがあってそれをそういう風に捉えていただけたんだなというのを感じられてすごく嬉しかった」と笑顔をみせていた。