本作は『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(15)、『四月の永い夢』(17)で鮮烈な印象を残した中川龍太郎監督が挑む三部作の最終章。母と娘、夫婦の想いと葛藤、喪失と再生を経て受け継がれる愛のかたちを描く。

気品漂うノースリーブの黒ドレスで登場した久保は「ついにこうやって皆さんにお届けできて、朝倉さんとも今までお会いする機会がなかったのでお伺いしたいこととかもたくさんあるので皆さんと共に作品のお話していきたい」と晴れ舞台に緊張した面持ちを見せつつ挨拶。本作のメガホンをとった中川監督は自身が監督を務めた2020年公開の映画『静かな雨』に出演している元乃木坂46の衛藤美彩から5~6年前に久保を紹介してもらったそうで、その経緯振り返った久保は「元々中川監督の作品を見させていただいていて、そのタイミングで当時の先輩が監督の作品にご出演されるのを聞いて、映画を見させていただいて私の好きな世界観、本当に繊細な描写を見て私もいつか監督とご一緒したいなってずっと思っていた」と相思相愛だったことを明かし「今回こうして5年ぐらい経ってご一緒できるのを聞いた時は素直にすごく嬉しかったです」とオファーを受けたときの心境を告白した。

そんな本作での撮影ではスタートもカットもない中で子供たちと一緒に撮影したシーンについて言及した久保は「撮影の前に子供たちと一緒に鬼ごっこしたりいろんなことを一緒にする日を設けていただいたので、次に撮影行った時には私がその場に行くなり一緒に遊ぼうって言って子供たちから手を引いてくれたので監督がおっしゃってたようにいつカメラが回ってるとかいう話じゃなくて、あの場にいる人として存在できたのはそこにいてくれた子供たちの存在はすごく大きかった」と話し、「その中で感情をあらわにするシーンは、監督から『たぶん久保さんは静かにだけど燃えるものを持ってる人だからそれを出してほしいってお話をずっとしてくださって、そこを見抜かれる機会があまりなかったのでこの役をできるっていうことをすごく嬉しいなって思った」と監督からの言葉に喜びをみせ、最後に次に演じたい役を聞かれた久保は「悪い人やりたい」とハニかみながら笑顔をみせていた。

本作は都内で10月27日(月)~11月5日(水)の期間で開催中の第38回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品。この日は上映後にキャストによる舞台挨拶とQ&Aが行われた。