
作家・村井理子氏が実際に体験した数日間をまとめたノンフィクションエッセイ「兄の終い」をもとに映画化した『兄を持ち運べるサイズに』は、絶縁状態にあった実の兄の突然の訃報から始まる家族のてんてこまいな4日間の物語。
宮沢りえ主演『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞・報知映画賞など多くの映画賞を席捲、二宮和也主演『浅田家!』では、国内の大ヒットのみならずフランスでも大ヒットを記録した中野量太監督の5年ぶりの新作。
主演を務めるのは、マイペースで自分勝手な兄に幼いころから振り回されてきた主人公の理子役の柴咲コウ。共演に、家族を振り回す原因となる、映画史上稀にみるダメな兄ちゃんを演じるオダギリジョー、兄と一時は夫婦でありながらも、ある理由で離婚した元嫁・加奈子を演じる満島ひかり、兄と加奈子の娘で両親離婚後は母と暮らす満里奈を演じる青山姫乃、二人のもう一人の子供で最後まで兄と暮らした息子・良一を演じる味元耀大。実力はキャストがそろい、泣き笑い、時々怒った兄を送るためのてんてこまいの4日間を紡ぐ。
昨年公開された映画『ラストマイル』で第48回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞し、今年7月に公開された映画『夏の砂の上』ではオダギリジョー演じる治の妹を、10月に公開されたアニメーション映画『ホウセンカ』では、主人公・阿久津の若き日のパートナー・永田那奈の声を務めるなど、数々の作品で確かな存在感を放つ満島ひかりが、本作ではダメ兄と離婚した元嫁であり、娘、息子たちの母を演じる。
本作で中野量太監督と初めてのコラボレーションとなった満島は、「はじめて脚本を読んだ時に、たくさん泣いてたくさん笑いました。」と、監督が描いた脚本に感動を受けたとコメント。中野監督は、「この役は(満島さんに)絶対にハマるはず」とオファー時から満島にぴったりな役だと確信していたという。さらに、撮影現場を振り返った監督は、「満島さんはとてもこだわって取り組んでくれる方で、子どもたちとのコミュニケーションや村井さんをはじめとする方々への取材など、ご自身の方法論と照らし合わせながら参加して下さいました。こちらの想いに応えようとしてくれる姿勢が嬉しかったです」と、満島への感謝を語った。

本作では、子供たちも物語のキーパーソンとして映し出されている。兄(オダギリジョー)と加奈子の娘で、現在は母・加奈子と暮らす満里奈を青山姫乃、兄に引き取られた弟・良一を味元耀大が演じる。2人は共にオーディションで中野監督の目に留まり、抜てきされた。
青山は本作が初映画出演となるが、監督は経験値における不安を跳ねのけても彼女の起用を希望したという。「“この映画には彼女が必要。最終的に絶対に良くなる”と姫乃ちゃんに賭けました。姫乃ちゃん自身がとてもたくましい子で、現場でもすぐに満島さんと打ち解けて、楽しそうにおしゃべりしていました」と、青山のたくましさに助けられたと明かした監督。母親役の満島も8月に行われた完成披露試写会にて、「初めての映画なのに肝が据わっていた」と、青山を称賛した。

一方、兄と一緒に暮らしていた息子・良一を演じた味元について監督は、「こんな子役がいるんだ」と、驚いたという。さらに、「良一は物静かな子のためちょっと陰のある子役を探していたのですが、味元くんはその部分を持っているだけでなく、オーディションの時から自分のリズムで芝居をしていました。大体オーディションでは与えられたセリフを言うものですが、彼はその時点で自分自身の言葉にしようとしていたのです。とても珍しくて面白い逸材だと感じ、選びました」と、味元の繊細な感性に惹かれたと語った。

この度、「兄」の死をきっかけに、再び集まった兄の家族、兄の元嫁・加奈子を演じる満島ひかりと、娘役の青山姫乃、息子役の味元耀大の場面写真が解禁となった。

離婚後は別々に暮らしていた加奈子と満里奈は、元夫(オダギリジョー)の遺体と遺品を整理するため宮城県多賀城市に駆け付け、妹・理子(柴咲コウ)と共に兄の遺品整理を始めることになる。今回解禁された場面写真では、サバサバとした性格で義妹・理子(柴咲コウ)と子供たちを支える加奈子の姿や、夫であり父親である「兄」の遺体を眺める加奈子と満里奈の姿。そして、別々に暮らしていた息子・良一を兄の死をきっかけに引き取ることになった加奈子が、良一と少しずつ距離を縮めていく様子など、家族の再生を予想させるシーンが切り取られている。










