
南九州一の繁華街、鹿児島県の天文館を舞台にした映画『天文館探偵物語』は、困ってる人たちを見過ごせない人情に厚い探偵たちが、訳ありのシングルマザーに手を差し伸べたことをきっかけに、天文館の再開発問題に巻き込まれていく。無謀と知りながらも街を想い、人との絆を大切にしていく姿を描く探偵たちの物語。
主人公・宇佐美蓮役に映画初主演となる寺西拓人。ヒロイン・橋口凪には大原優乃。蓮の相棒・健斗に新進俳優・肥後遼太郎が大抜擢。凪をめぐり、蓮たちと対立することになる元夫・板倉靖幸役に室龍太、凪の息子の誘拐犯に高田翔、凪の兄・橋口拓海役は原嘉孝(友情出演)に加え、天文館の再開発を進める政治家・板倉雄馬を西岡德馬が務め脇を固める。メガホンを執るのは『うちのじいじは字が書けない』が「29th キネコ国際映画祭」グランプリを受賞した諸江亮が脚本と監督を務め、鹿児島を駆け巡る探偵たちの想いが胸に迫る、この冬一番温かい作品が完成した。
観客前に初登壇の場となった完成披露試写会で、初主演であることを踏まえて挨拶を、と司会に言われた寺西は「宇佐美蓮役を演じました。寺西拓人です。初主演です!」とドヤ顔でポーズを決めると会場からは歓声が。「というのは冗談で(笑)、本当にたくさんの方の想いが詰まった作品ですので、皆さんのもとに届くのがすごく楽しみです」と挨拶。

探偵という役どころについては「探偵と聞くとちょっと不思議な印象なんですけど、この映画は便利屋さんというか、その街の皆を助けるみたいな役」と話しながら、撮影で大変だったことについて「亀を探すシーンから始まるんですけど、その亀が緊張しちゃって、うんちをめっちゃ漏らして1回撮影が止まるというのは、ストレスでしょうがないんですけど、大変だったなという印象があります」と思わぬトラブルを明かした。
また、作中では高田とのアクションシーンも繰り広げており、「どこまで言っていいか分からないね」と顔を見合わせながら「路面電車に飛び乗った蒲生を自転車で追いかけるというのを、実際の街の中でやらせていただいたので、撮影回数も限界があって、チームワークでなんとか」と振り返る。
高田は「テラとはアクションするにも不安なく、楽しくやれたので、それが映画に残って嬉しいです」と笑顔を見せていた。
監督からも「本当に一発撮りだったので、状況だけ説明させていただいて、とにかく電車に追いついてくださいと、あとはお願いしました」と、撮影時のエピソードが明かされた。
さらに、作品にちなんで撮影スタッフ・共演者からキャスト陣の撮影時の様子が調査報告として発表されることとなり、寺西には「多くのエキストラにご出演していただいておりましたが、皆さんが現場に到着するたびに、自己紹介とともにお一人おひとりに挨拶をされて大変驚きました」「自身の出番ではないシーンで、一般人のふりをして現場の様子を見にきてくれていました。主演としての意識の高さを感じました」というスタッフからの報告が。
その言葉に「一言一句、その通りでございます」と真面目に答えるも、すぐに「それはちょっと恥ずかしいですね」と照れた寺西は「でも冗談抜きで、エキストラの方々もこの作品を作る上での大切なピースですし、そういうふうに皆さんが思ってくださったんだったら嬉しいですけど、僕としては本当に当たり前なことをしただけで」とかっこいいコメントにキャスト陣がわいていた。
イベントの最後には「人情というものにフォーカスした作品で、今は結構人間関係が薄くなっている世の中だと思うんですけど、天文館の場所やそこに息づく人の温かさを見て、何か一つでも持って帰ってもらえたらと思います。皆さんと一緒にこの作品を盛り上げていけたらと思います」と呼びかけた。










