本書は板垣が作・絵を手がける初の絵本。鮮やかに広がる色彩と、真っ白なからだをもつ、不思議な生き物の主人公・ヌルの姿が描かれたイラストや、リズムのあるやさしい言葉で綴られた文章にはこだわりがぎゅっと詰まっており、子どもから大人まで幅広い世代に読んでほしい一冊が完成した。

絵本をイメージした衣装で登場した板垣、囲み取材冒頭では本書の読み聞かせを行った。たくさんの記者たちを前に「恥ずかしいですね」とはにかみつつ、緊張した面持ちで読み終えた板垣は「変な汗が(笑)眠くなってないですか?」とホッとした顔をみせ、読み聞かせた感想を聞かれると「大勢でも保育園とかだったらわかるんですけど」と苦笑いしつつ「大人たちに囲まれて聞かせるの後にも先にもないんだろうなと思いながら噛みしめておりました」と恐縮そうに話した。
初の絵本を発売し絵本作家デビューをしたいまの気持ちを聞かれた板垣は「自分の肩書きに絵本作家が加わる日が来るとは思ってなかった。芸能界というか他の役者さんでも持ってないような肩書きをいただけたことはすごく嬉しいですし、自分の書いた作品がいろんな方の手元に届くんだなって思うと喜びでいっぱいですね」と発売の喜びを口にした。
また本書の制作にあたって苦労した点について『絵のバリエーション』に言及した板垣。「アングルとかも寄ったり鏡ごしに書いてみたりとか真上からとかそこのバリエーションもたせるというのにすごく大変だった」と振り返りつつ「大変だったのと同時に自分の新しい引き出しを探していくって作業はすごい良い部分でもありました」と笑顔をみせた。

そんな本書のお気に入りページには『赤い妖精がいるページ』を選んだ板垣。理由について「この絵本自体がデジタルで公開されているものだったんですけど、今回紙の媒体になるっていうことで、やっぱり紙ってページを1枚1枚に捲るときの高揚感だったりワクワクが醍醐味」と話し、「ページを開いた時にすごく華やかに見えるか、本当に花が開いたんだなって感じさせるようなそういう華々しさを感じられるイメージにしたかった」とページに対するこだわりを明かした。

主人公が自分の色を探していく物語にちなんで、自分の色を聞かれた板垣は『黒』と回答。「役者って白とかいろんな役に染まれる何色にでもなれるってイメージあるかもしれない」と前置きしつつ「僕は自分の色自体を変えるよりは黒ってその時の条件とか状況によって全く同じ黒でも全然色が違うので、そうやっていろんな見せ方で表情を見せてくるんだけれども、あくまでも黒って部分は変わらないっていうところで僕がそのタイプかなって役者的に思うので黒ですね」と説明。また好きな色は『黒』ではないそうで「ワンクールぐらいで変わるんですよ」と悩みながら「今季はグレー、私服とかもグレーが多いです」と色について語っていた。