
11月14日に公開となる映画『君の顔では泣けない』は、君嶋彼方のデビュー小説を坂下雄一郎監督が実写化。数々の名作を世に送り出してきた“入れ替わりもの”に15年も入れ替わったままという独自の設定を加え新たな物語が完成。入れ替わったまま大人になっていくふたりの時間が切なく、そして瑞々しく描かれる。入れ替わってしまうふたり、坂平陸を芳根京子、水村まなみを髙橋海人が演じている。
この度、芸能にご利益があるとして有名な「赤城神社」にて、大ヒット祈願!公開直前トークイベントが開催され、映画タイトルの書かれた絵馬を手に、フォトセッションに応じた芳根と高橋。

そして、トークイベントでは劇中の陸(芳根)とまなみ(髙橋)が必ず待ち合わせる場所であり、お互いの救いの場でもあった喫茶店「異邦人」をイメージしたセットが用意された。
本作のタイトルにもなっている『君の顔では泣けない』は、劇中でも何度か台詞で登場する。高橋は「それぞれが相手に発する意思が違うのがポイントになってくるのかなと思っています」と話す。芳根はその中で、「私がまなみに言った『俺の顔で情けなく泣かないでくれる』って台詞は、心の底でのぶつかり合いみたいな。私、あのシーンが終わった後に『二度と高橋くんにこの台詞言いたくない!』って思うぐらい、この作品の中でぶつけるのが強かったシーンだと思う」と印象に残っている台詞を明かし、それを受けた高橋が「言ってしまうと、手を出されるよりも辛いというか。そうしかできない状況なのに言われるというのは、否定される感覚みたいなものは絶望的にありますよね」と語ると、芳根は「ごめん……」と申し訳なさそうにしていた。
対する高橋演じるまなみがその台詞を発する際は「エール的なものが強い」と解釈する高橋。「その言葉を発している間にも、たくさんの葛藤が走馬灯のように出てくる感覚です。自分の体を持って人生を過ごしてきて、行くところまで行ってしまった寂しさと、自由に使うことに対しての何してくれてんねん!っていう気持ちと、でもこの先戻るか分からなくて、相手の人生を借りるという人生をずっと過ごしてきた仲だからこそ言える、頑張れって意味とか、すごく複雑な感情をぎゅっと詰め込んだ台詞でした」と振り返る。
15年もの間、心と体が入れ替わるという難役を演じきった二人。これまで取材などで「誰と入れ替わりたいですか?」という定番の質問を聞かれる機会があったそうだが、本作へ出演したことを通して、芳根は「今まで誰と入れ替わりたいですか?って言われた時に、すごく気楽にポンって言っていたことが言えない。それがどれだけ重たいことなのか、入れ替わるってすごく大変なことで、だから、自分の人生を大切にしたい、入れ替わりたくないってこれから答えちゃうなって思います」と“入れ替わり”に対する考えが変わったことを明かす。

高橋も「大体こういう質問を聞かれる時って、大喜利要素じゃないですけど、ワクワクした顔で聞いてくれるインタビュアーの方を一瞬で真顔にさせちゃう可能性が」と思慮する。「今までおちゃらけて返したりしていたんですけど、入れ替わるってそう簡単じゃないですよって、重く捉えちゃう。考え方はすごく変わりました。この映画が出来上がったものを観させていただいて、二人の楽しい表情とかをいっぱい観た上で、自分のこの要素は奪われたくないな、と。そう思っていることこそがすごく素敵なもので、自分の人生をちゃんと生きれている証拠なのかなと、色んな気づきがありました」と話していた。
まもなく公開となるが、「未来だけを見ていくなら入れ替わってもどうにかなるけど、過去があっての今で、過去があっての未来だから、どうしたって切り離せないもので。だから、ラストシーンを観てくださった方がどう受け取ってくださるかというのは、観る方によって全然違うと思うんです。でも何一つ間違っていないと思っていて、だからどういう気持ちになったか、教えていただきたいです。本当に気になる!」と話す芳根は、「劇場の外で待ってようかな。最後どう思った?って。怖いね(笑)」と感想がかなり気になっている様子。
高橋は「終わった後、いっぱい話してほしいなって思います。この作品は、観ていただいた後、皆さんが自分の人生が特別なものだと思ってもらえるきっかけになる作品だと思っていて。だからたくさんの方に見ていただいて、自分の人生を考えて、これから素敵な未来に向かうためにどうしていったら良いのか、ゆっくりと考えられるものになったら良いなと思います」とメッセージを送りながら、「公開されてから3日間ぐらいが、言ってしまうとすごく大事な期間なんです」とぶっちゃけ、「だからこの作品を見て、たくさんの方が自分の人生を素敵って思えるものになっていたら良いなと思います。3日間です。よろしくお願いします!」とアピール。
そして最後に芳根からも「自分の人生をぎゅっと抱きしめたくなるような、自分の人生が愛おしくなるような作品かなと思っています。たくさんの方に届くと良いなということを願って…3日間です!(笑)」と高橋の発言をなぞりながら「派手っていう作品ではないんですけれども、だからこそ劇場で大きなスクリーンで、綺麗な音で、全身で感じてもらえたら嬉しいです」と微笑んだ。









