1680年代、質素倹約を実施し、強い規制により天下泰平を目指した八代将軍吉宗と、対照的に、倹約令を無視し規制を緩和する事で国を盛り上げようとした尾張藩の藩主徳川宗春。
ライバル関係だったと言われているこの二人の藩主の物語を大胆にアレンジし、2014年、15年に上演された舞台『春風外伝』は、時代劇の魅力をふんだんに盛り込みつつも、タップ、ラップ、ストンプなど現代のパフォーマンスを巧みに融合した演出で大好評を博した。

6年ぶりの再演となる本作では、新たなキャスト・スタッフを迎え幕が上がる。

主演は、今作が今年6作目の舞台出演となる室龍太。ほか出演に、元宝塚歌劇団星組男役スターの麻央侑希、舞台出演を重ね、確かな演技力の高田翔をはじめ、声優の櫻川めぐ、倉知玲鳳、お笑いコンビ南海キャンディーズの山崎静代、エンタテイメント集団“THE CONVOY”の石坂勇など、レジェンドステージでもお馴染みの俳優陣や、様々なジャンルからキャストが集結した。

脚本は前回に引き続き、劇作家・脚本家で劇団ホチキス代表の米山和仁。
演出は、シチュエーションコメディーを得意とし、今作からの参加となる野坂実が務め、女将軍吉宗と宗春の対立をよりドラマティックに、より大胆に演出する。
また、近年話題の作品に次々と参加し、演劇的な世界観を創り出すことに定評のある梅棒がエンターテインメント総合振付に決定。新国立劇場中劇場で、梅棒の振付によってよりダイナミックに、よりエネルギッシュにパワーアップした2021年版の『春風外伝』を届ける。

初日に向け、主演を務める室龍太、麻央侑希、高田翔がコメントを寄せた。

徳川宗春役の室は、「緊急事態宣言も明けコロナ禍が落ち着いてはいますが、まだまだ気は許されない中で無事に初日を迎えられることを大変嬉しく思います」と喜びを語った。
室が新国立劇場の舞台に立つのは本作が初となり、「プレッシャーもありますが、座長として45人という大きなカンパニーを任せられた以上、誰一人欠けることなく千穐楽まで引っ張っていきます」と意気込んだ。

徳川吉宗役を演じる麻央は、「また舞台上で男役が出来る喜び、そして後半は私自身と致しましては挑戦が多い、徳川吉宗役。お客様に見終わった後に、生きてるってこんなに幸せなんだ!って気持ちになれる超ド級エンタメを是非お楽しみください!!」と、コメント。

将軍を操ろうとする忍者・服部半蔵役の高田は、「ストーリーの展開、ダンスに歌、コントなど稽古からかなりハードにやってきました。そして、普通の舞台ではなかなか無い舞台装置をかなり使用しており、とても華やかで大掛かりなことをしております」と稽古期間を振り返りながら、「とてもパワフルでエネルギッシュなこの作品をお客様が楽しんでいただけるよう、そして自分自身もこの作品を最高に楽しんでやって行きたいです」と語った。

10月21日(木)~25日(月)まで新国立劇場 中劇場で上演される。

【室龍太 コメント全文】
緊急事態宣言も明けコロナ禍が落ち着いてはいますが、まだまだ気は許されない中で無事に初日を迎えられることを大変嬉しく思います。
今回初めて新国立劇場に立つプレッシャーもありますが、座長として45人という大きなカンパニーを任せられた以上、誰一人欠けることなく千穐楽まで引っ張っていきます。
そして今回の「春風外伝2021」は本当にハイテンションエンターテインメントという言葉がピッタリの作品となっております。
うっせぇわって思われるぐらい一人一人のパワーが凄いです。
そんな最高のカンパニーでお客様に最高の作品をお届け致しますので、お時間ある方は是非とも劇場までお越し下さい。

【麻央侑希 コメント全文】
主演の室くんの背中を見て、出演者全員が命懸けで駆け抜けたお稽古期間を経て、ついにお客様へこの”春風外伝2021″をお届け出来ます!!
また舞台上で男役が出来る喜び、そして後半は私自身と致しましては挑戦が多い、徳川吉宗役。
お客様に見終わった後に、生きてるってこんなに幸せなんだ!って気持ちになれる超ド級エンタメを是非お楽しみください!!

【高田翔 コメント全文】
春風外伝2021!幕が開きます!!
エンターテイメントが沢山詰まったこの作品。
ストーリーの展開、ダンスに歌、コントなど稽古からかなりハードにやってきました。そして、普通の舞台ではなかなか無い舞台装置をかなり使用しており、とても華やかで大掛かりなことをしております。とてもパワフルでエネルギッシュなこの作品をお客様が楽しんでいただけるよう、そして自分自身もこの作品を最高に楽しんでやって行きたいです。こうして初日を迎えれること、そして板の上に立てることをしっかりと噛み締めて無事に最後まで誰一人と欠けることなく、突っ走って行きたいと思います。

<あらすじ>
時は江戸時代、天下を治めるは第八代将軍、徳川吉宗(麻央侑希)。
幕府は全国に倹約令を発令、特に娯楽の類いを強く規制した。単なる規制だけにとどまらず、幕府直属の忍者部隊が娯楽への興味をそぐ「口車の術」を使い、言葉巧みに住民たちから楽しむ事への欲求を奪った。幕府の中枢である江戸の町はもとより、日本中が暗澹とした雰囲気に包まれてしまう。
この行き過ぎた娯楽規制は、将軍吉宗が自ら命令を下したのではなく、吉宗に仕える忍者、服部半蔵(高田 翔)の仕業だった。将軍を言葉巧みに押さえ込み、政治を影から操り真の天下泰平を目論んだのだ。
しかし、この国で唯一幕府の規制をはねのけ、昼夜ドンチャン騒ぎを繰り広げる町があった。この物語の主人公、尾張藩藩主の徳川宗春(室 龍太)が納める尾張の国(今の名古屋)だ。
宗春は将軍吉宗に「桜が満開になる頃、日本一の町を見せる」と約束をする。将軍吉宗の為に芝居一座をつくり、芝居を見せようと画策。尾張一の芝居小屋プロデューサーの愛弟子、櫻奴(櫻川めぐ)、梅奴(倉知玲鳳)と、側近の文三(竹石悟朗/碕 理人 Wキャスト)を連れて町へ繰り出した。
娯楽があふれる町、尾張ではあるが、一方で争いごとも絶えない。町を牛耳るヤクザの銀八(石坂 勇)一家と、元歌舞伎役者の齊藤十兵衛(中塚皓平)のお文(小川麻琴)争奪戦が勃発。ついつい厄介ごとに首を突っ込む宗春は、言わずもがなその争いに巻き込まれていく。
そんな中、尾張の町にも「口車の術」をかけるべく、服部半蔵率いる忍者が到着する。時を同じく、宗春との約束を待ちきれない将軍吉宗もまた尾張に入るのだが……。