近年、歌舞伎の新作書き下ろしや、劇団四季などの大規模作品で演出を手掛け、目覚ましい活躍を見せる青木豪。緻密な人間描写と卓越した発想力で、ジャンルにとらわれず、常に演劇界の第一線を走り続けている。
その青木がパルコ・プロデュース公演で2019年に初めて作・演出を手掛け、安田章大と古田新太による舞台初共演で上演した『マニアック』(新国立劇場にて上演)は、ブラックで危ない笑いが満載の痛快青春暴走音楽劇として大好評のうちに幕を閉じた。その後2024年には、PARCO劇場で安田章大主演の『あのよこのよ』を上演。明治時代を舞台に、浮世絵師を主人公にして、あの世とこの世を曖昧にする死生観を織り込みつつも、アクション満載のエンタテインメント溢れる時代劇で観客を魅了した。
そして2026年、再び青木豪書き下ろしのもと、安田章大と古田新太が7年ぶりに舞台で共演することが決定した。二人が挑むのは、ブラックな笑いを散りばめた“不条理犯罪ファンタジー音楽劇”。仕掛けられた罠と残虐な犯罪が交錯する、予測不能な物語が展開される。
登場するのは、私立探偵とその姉、怪しげな美容整形外科医と一見セレブ風なその妻と癖ありげなその娘、AV男優兼薬剤師、マジシャン、そして失踪した男などなど――。エキセントリックな登場人物たちが、80年のディスコサウンドに乗せて繰り広げる、明るいエロティシズムとナンセンスの狂騒。誰も見たことのない、狂喜乱舞の音楽劇が今ここに誕生する。

物語の主人公で私立探偵の森田林深志(もりたばやし・ふかし)を演じるのは安田章大。探偵事務所にやってくる奇妙な依頼人で美容整形医師の鶏野村誠也(とりのむら・せいや)に古田新太。誠也の妻・令美(れみ)に高岡早紀。誠也が溺愛する娘・マリアに川島海荷。深志の姉・緑(みどり)に山崎静代。AV男優兼薬剤師の夢園杜莉雄(ゆめぞの・どりお)に小松利昌。マジシャンの長稲仁政(ながいね・じんせい)に村木仁。フカシと緑を残し失踪した父親・森田林一則(もりたばやし・かずのり)に南誉士広と、狂気の青木ワールドを余すところなく魅せる豪華キャスト陣が揃った。
そして、本作の音楽監修を手がけるのは、地下セクシーアイドルユニット「ベッド・イン」の益子寺かおり中尊寺まい。80年代末~90年代初頭のバブル文化をリスペクトし、ボディコン衣装に身を包んで活動する彼女たちが、本作に唯一無二の華やかさを添える。

【あらすじ】
森田林探偵事務所では、私立探偵の森田林深志(安田章大)が、姉の緑(山崎静代)と家庭の問題について話をしている。
母が亡くなったのだが、残った家をどうするかの話をしようとした矢先、お客が訪ねてくる。
依頼人がやってきたのだ。依頼人は二人、開業医の鶏野村誠也(古田新太)と娘のマリア(川島海荷)だ。
主に父親の誠也が話し、マリアは言いたいことを父親に耳打ちするという奇妙な親子だが、依頼内容を聞いてみると、自分たちが今組んでいるバンドに参加してほしい男がいるのだが、その男を探してほしいというもの。
その男の名前は、夢園ドリオ(小松利昌)。AV男優で薬剤師らしい。その男の写真を見たフカシは知っている男だとすぐに気づき、マジシャンの長稲仁成(村木仁)にドリオの行方を尋ねる。
その頃、鶏野村医院では誠也が妻の令美(高岡早紀)に鞭打たれている。どこか気持ちよさそうな誠也。そして二人をしかりつけるマリア。どうも鶏野村医院の親子は普通の親子関係ではないらしい。聞こえてくる意味深な言葉の数々、ドリオを探している真の目的とはいったい・・・。
フカシと緑はドリオを探し出せるのか、そして同時に行方不明の父親(南誉士広)を探し出し、相続問題に決着がつくのか・・・!?

<作・演出:青木豪 コメント>
古田さんと作った前回『マニアック』は「豪ちゃん、絶対怒られそうな芝居やらない?」がお誘いの言葉だった。今回は「面白がっちゃいけないことを面白いミュージカルにしない?」的な言葉で誘われた。つまり「露悪」である。「露悪の果て」を作ろうと思う。ご一緒に面白がっていただけたら幸いです。

<音楽監修・出演:ベッド・イン コメント>
バブル文化をリスペクトして活動中のミュージシャン、ベッド・インです♡
タマランチ会長な大舞台への出演&音楽監修という大役に、ポケベル鳴らしていただけて、ぶっとびぃ~!からのサンタフェ~!♡
優しくてトレンディな青木豪さん、トッポい古田新太パパ、BIGスターの皆様とご一緒させて貰えてマンモスうれPです!
心のジュリ扇振りながらガンバルンバします!
是非、観に来てチョンマゲ!

<安田章大 コメント>
いろいろな安全面を考慮してあまり挑戦的なことがしづらいご時世になってきた令和でございますが、日本語でいう前衛、アバンギャルドな舞台になっています(笑)。すごくドキドキするものをよりエンタメ化させ届けられるのが、古田新太×青木豪ですので、想像を超える作品になると思います。
アブノーマルを超えて、アブアブノーマルみたいなキャラクターの集合体がこの『ポルノスター』という作品だと思いますので、腕が鳴る役者さんたちを目の前で見れることが楽しみです。そして前回共演させていただいたあの方と姉弟役をやれることが幸せです。
軽快な音楽が言葉をオブラートに包んで(笑)、毒々しさや痛快さ、日ごろの鬱憤を晴らしてくれる、そんな舞台に仕上がると今から確信しています。ぜひ劇場に来て、笑うなり、目をつむるなり、隣の人と気まずくなるなり、劇場にしかない空間と匂いを味わいに来て下さったら幸いです。

<古田新太 コメント>
この作品は変態・青木豪と「感じ悪いミュージカルをやりたいね」という話から、「じゃーパルコさんに迷惑かけようか」という流れで企画が成り立ちました。豪ちゃんは他のところではかなり遠慮していい話を書いていますが、基本的には変態なので、オイラと組むときはその部分を遺憾なく発揮していただきたいと思っています。
ヤスは「豪さんと古田さんが組むんだったらぜひ参加したい」と内容も聞かずに言ってくれましたから、よっぽど『マニアック』が楽しかったんでしょう。なるべくならば、SUPER EIGHTのファンの女の子たちがお母さんと観に来て、下を向くような作品にしたいと思います。基本的には楽しいお芝居にするつもりです。皆んなでゲラゲラ笑って、音楽にのって歌ったり踊ったりしながら、最終的には「感じ悪いなー」と言って帰ってほしいですね。イヤな感じにはする予定です!ぜひ皆んなで劇場でふざけましょう。

<高岡早紀 コメント>
演出の青木豪さんとは今回初めてご一緒させていただきますので、私の知らない世界に連れて行ってもらえるのではないかとわくわくしています。また、作品の世界観がすごく独特なので、その世界にどのように引っ張ってもらえるのかも楽しみであり、不安でもあります(笑)ただ今回は、約10年振りに共演する安田さんと、お誕生日が同じで仲良くさせていただいている古田さんのお二人がいらっしゃるので安心感もあります。お二人にガンガン引っ張ってもらいつつ、引きずられつつ、舞台稽古を心待ちにしています。
ホラーや犯罪といった要素が入っていますが、80年代のディスコ音楽がいっぱい散りばめられたポップな作品ですので、お客様に楽しんでもらいながら私自身もきっと楽しい舞台になると信じています。ご来場お待ちしています。

<川島海荷 コメント>
台本の内容が衝撃的過ぎて、つい何度も読み返してしまいました。本当にこれを舞台でやるのかなという印象ですが、いろんなジャンルを手掛けられている青木豪さんが、オリジナルで書いている作品をどうやって演出するのか、稽古場が楽しみです。
私が演じるマリアは他人からは全く共感されない価値観を持った多面性のある女の子なので、自分の中でいろいろと試行錯誤しながら演じていきたいです。
皆さん初めましての現場で緊張していますが、個性派揃いのキャストの中で私も負けじと食らいついていきたいと思います。闘いに挑む気持ちです!
観た方によっていろんな感想が出てくる舞台になると思います。迫力もありますし、私も爆発的な何かがこの舞台にはあるんじゃないかなと思っていますので、ぜひ劇場に観に来てください。よろしくお願いします。

<山崎静代 コメント>
青木豪さんとは2019年に『マニアック』という作品でご一緒して、芸人としてやったことのない新しい扉を開けていただきました。自分の中では初めての感覚ですごく楽しかったので、またこうやって出演させていただけることが本当に嬉しいです。
今回は『マニアック』のあの感じもありつつ、エロとかグロがすごく面白く、馬鹿らしく描かれている一方で、社会派というか、そういう訴えも込められているのかなと台本を読んで感じました。
前回はなかなかパンチのきいたホテルの社長という変わったキャラクターを演じましたが、今回は私が姉で安田君が弟という姉弟の役で、一緒に冒険するような、割と中心で動いていくのですごく楽しみです。
初共演の方が多いですが、皆さん達者で面白い方たちなので、ついて行けるように一生懸命頑張ります。みなさんと一緒に楽しく、お客様の心に届くような作品を作れるように頑張りたいと思いますので、皆さんどうぞ劇場へ足をお運びください。

<小松利昌 コメント>
台本を読んで自分でも言語化できない気持ちになりまして、言葉を選ばずに言うと、途中少しだけ気持ち悪くなりました(笑)古田さんは大好きな作品だと思います。お客さんをある種、不安にさせる作品がすごく好きな方なので。僕自身はAV男優さんを演じるということで、いろいろ勉強し、稽古初日の顔合わせに臨みたいと思います!
豪さんの作風は心温まるものもあれば、アナーキーのものもあり、すごく両極端なうちの今回一番極端な作品で初めてご一緒するので、出会いが衝撃的です。
この公演を観たいと思ってくださってスケジュール帳に今書き込んでくれているあなた、ありがとうございます!きっと一回観たらクセになって二回目三回目も観に行きたいと思える作品になるんじゃないかなと思います。どうか恐れずに、存分に期待して劇場に遊びに来てください!

<村木仁 コメント>
「一線を超えているな」というのが台本を読んだ第一印象です。僕が演じる役はマジシャンです。それもインチキなマジシャン。青木さんとご一緒するのはこれで6本目になりますが、どうも僕にインチキなイメージがあるようで、青木さんがあてがきしてくださる役は大体いつもインチキでだらしない役が多いです(笑)今回ももれなくそうなります。
2度目の共演となる安田さんはまた違う一面が見れるのが楽しみですし、古田さんは30年くらいのお付き合いですので、真新しいことはないかもしれませんが、飲み過ぎず、楽しく稽古できたらと思います。高岡さんとは劇団☆新感線の『蜉蝣峠』でご一緒しまして、当時僕はとてつもなく変態な役を演じたので変なイメージをお持ちだと思います。それに負けないくらい、今回も変なイメージを持ってもらえるように頑張ります。お客様には劇場にお越しいただいて、一緒に、一線も二線も越えて楽しめたらなと思っています。ご来場お待ちしております。

<南誉士広 コメント>
台本を読み進めていくと、「えっ!」とか「あっ!」とか「おぉ~」とか勝手に声が出てくるんです。驚きの連続で、どうやって表現するんだろうと今から稽古が楽しみです。
前回共演したやっさん(安田さん)、劇団☆新感線でたくさんご一緒した古田さん仁さん、そして手練れの役者さんたちがいらっしゃいますので、楽しい芝居になることは決まっています。それをお客さんと一緒に楽しみつつ、僕自身も楽しみたいと思います。とても尖った人たちが集まっているので、その尖り合いが楽しみであり、上手く混じりたいなと思う所存です。
楽しくも摩訶不思議な青木豪ワールド。豪さんの色にがっつり染まって頑張ってまいりますので、ぜひ劇場に遊びに来てください。