作・演出の双方で数々の受賞歴を誇る蓬莱竜太が書き下ろす最新作は、主人公たちが社会人として働く現在と、大学時代の過去とを行き来しながら、人間関係のもつれやSNS時代に生きる私たちの光と闇を浮き彫りにする女性たちの群像劇。
主演を務めるのは、常に話題作に出演し、昨年の大河ドラマ『光る君へ』でも高い評価を受けた吉高由里子。吉高はかねてより蓬莱作品への出演を熱望しており、10年近く温められてきたその想いがついに実現。親友との記憶の齟齬に揺れる等身大の女性を演じる。
さらに、主人公の大学時代の女子フットサル部仲間で親友役にはさとうほなみ、控えめな性格でSNSに自身の孤独を書き連ねていた後輩役には桜井日奈子、厳しさの裏に葛藤を抱えている女子フットサル部の顧問には山口紗弥加、さらに小野寺ずる羽瀬川なぎ李そじん名村辰ら実力派キャストが顔を揃えた。

開幕を前にプレスコールが行われ、その後の開幕前会見には、吉高、さとう、桜井、山口が出席。
吉高は「11月1日から稽古が始まって、こんなにあっという間な1ヶ月間はなかったんじゃないかなと思って、まだ初日が始まる実感がないんですけど、始まったら今度は終わりに向かってしたーとするのかと思うと、稽古場の思い出がフラッシュバックするような感じで、冒頭のシーンをやっていました」と、会見前に行われたプレスコールの心境を明かす。

さとうは「稽古が始まった当初はまだ台本が最後までなくて…」と話し出すと、吉高も「それは言ったほうがいい!全然なかった!」と声をあげる。続けてさとうは「全部できて私たちでその本を演じる形になって、やっぱり蓬莱さんの作品は本当に面白いなと感じているところです。なので皆さんも是非楽しんでいただけたらと思います」と呼びかける。

桜井「私も蓬莱さんの作品に出演できるのが本当に嬉しくて、念願だったので、こんな幸せなことはないなと思っていますし、本当に素敵な先輩方とご一緒できるのが幸せです。いっぱい技を盗みたいと思います!」と意気込んでいた。

山口は「舞台が終わる頃には号泣してしまうような、毎回胸が痛む作品なので、それをきちんとお客さまにお届けしたいなというのが一つと、フットサル部のお話で体を酷使するので、怪我なくチーム力を見せつけたいなと思います」と語った。

自身の役の見どころを聞かれ、女子フットサル部を設立する主人公・金田海を演じる吉高は「全員が主人公」と話し、「見ている方もどこか過去の自分が当てはまる役があるんじゃないかなと思うんですけど。私の役は不幸の連鎖が始まるきっかけを作ってしまった役なのかなって思いながら、そこが私の役の核になっている部分かなと。最後見ていて苦しくなると思うんですけど。その私の役に振り回されてるもんね?」と、周りに伺うと、さとうは「なかなか苦しいことが多いよ」、桜井は「苦しめられてるし、苦しめちゃってるし」と共感。

吉高演じる海の親友・山形圭子役のさとう「海との関係性や他の部員や先生との関係性もすれ違ったりして、今の状態になっているのが見ていて面白いと思うところではあるので、一人一人抱えているものがあって、そういうのも共感できるところはあるんだろうなと思っています」とコメント。

フットサル部の後輩・白澤喜美を演じる桜井は、「海とはどうしても交わらない水と油のような関係で、それは意図せず、海の負の連鎖に拍車をかけてしまう役どころです」と、自身の役について語り「見どころは、白澤は漫画を書いていて、その漫画の描写が作品の中にも出てくるんですけど本当にキャラがとても立って、私だけの見どころではなく、漫画はそれぞれのキャラに注目していただきたいです。ぶっとんでます!」とアピール。

そして、顧問の川越瑞希役の山口は「鬼コーチの役で、人を攻撃してばかりで、でも自分の中にも抱えるものがあって、傷ついている人で、その痛みをしっかり感じながら演じたいと思っています」と話していた。

かねてより蓬莱作品への出演を望んでいた吉高は、念願が叶い、「見ていてもそうなんですけど、毎日やっていても印象に残る台詞がいっぱいあるなと。作品は癒されるものではなく、ちゃんと傷つく作品なんですけど、皆が蓬莱さんを信頼しているから温かい現場なんだろうなというぐらい、作品とは真逆の環境で毎日笑顔の絶えない和気あいあいとした温かい現場で。でも送り出すものはすごくヒリヒリしたものだから、不思議だなと思いながらやっています」と心境を明かした。

今回は芝居の稽古に加え、フットサルの稽古も行われており、「こんなに毎日ストレッチをしたことがなかったから、何してるの!って体がびっくりしてます」と吉高。「稽古場に来る時と帰る時にストレッチを皆でやるんです。それも部活感があって、日奈子ちゃんがストレッチリーダーになって、先生をやってくれていたり、後ろでギャーギャー笑ってるお姉さん(山口さん)がいたり。ずっと笑ってて叫んでて喉強!って思いました」と賑やかな稽古場の様子を語っていた。

2025年から2026年を跨いで上演される本作。今年はどんな年になったか、そして来年の抱負について質問があがると吉高は「舞台は3年ぶりで4回目の挑戦となり、まだまだ教わることも知らないこともいっぱいあってという中で、すごく素敵な出会いをさせてもらった年になったなって思いました。来年の抱負は、1月の終わりまであるので、無事に走り抜けることが来年の良い年の始まりなんじゃないかなと思います」と答える。

さとうは「実にシャイニングな1年になったかなと思います」と作品にちなんで回答。「この作品で今年が終わって来年が始まるので、怪我なく皆で駆け抜けられたらと思っています!」と気合を入れた。

桜井は「今年はいただいた役柄が今までと全然違った1年で、今回亡くなっている設定なんですけど、今年で5連チャンぐらい亡くなっているかもしれなくて…」と振り返ると、吉高が「不死身じゃん!」とツッコミ。「これまで健康的な女子が多かったから、ちょっとシリアスや挑戦的な役をいただけたのが本当に嬉しくて、この調子で今までやったことのない役に来年も出会えたらなと思っています」と笑顔を見せる。

そして山口は、「素敵な出会いがたくさんあった1年なので、本当に幸せでした。来年は、怪我なく最後まで走り抜けて、私としてはこれからも挑戦を続けて、とにかく元気に健やかに毎日を送っていきたいと思います。シャイニングな1年にしたいと思います!」と、明るく宣言した。

最後に代表して吉高が「8人で力一杯、精一杯やっています。誰かが転びそうになったら、誰かが掬い上げてくれるようなチームワークもできていると思います。フットサルも頑張っていますので、私たちの闘う姿を見届けてください」とメッセージを送った。

パルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』は、12月7日(日)~28日(日)まで東京・PARCO劇場、その後大阪・福岡・長野・愛知にて、上演される。