
『クワイエットルームにようこそ』は、「大人計画」の主宰であり、作家・演出家・俳優とマルチに活躍する松尾スズキによる小説で、2005年に単行本として刊行。第134回芥川賞にノミネートされるなど高い評価を受け、2007年には松尾が自ら脚本・監督を手掛け映画化し、大きな注目を浴びた。シビアなテーマを扱いながらも喜劇とファンタジーの要素を持ち合わせており、「いつかミュージカルに!」と松尾が長い時間をかけて構想を温めてきた本作が、2026年に新作ミュージカルとして生まれ変わる。
音楽は、日本の音楽シーンをけん引し、Bunkamuraシアターコクーンで上演された作品でも多彩な楽曲を生み出してきた宮川彬良が担当。振付は、あらゆるジャンルを軽々と飛び越え、ユーモアあふれるダンスで観客を魅了するCHAiroiPLIN主宰のスズキ拓朗が担当し、作品を躍動させる。
主人公のバツイチで28歳のフリーライター・佐倉明日香を演じるのは咲妃みゆ。共演は、松下優也、昆夏美、桜井玲香、笠松はる、りょう、秋山菜津子。そして「大人計画」からは、皆川猿時、池津祥子、宍戸美和公、近藤公園と、松尾が信頼を寄せるキャストが集結した。
開幕に先駆けて行われた囲み取材には、咲妃みゆ、松下優也、昆夏美、皆川猿時、桜井玲香、りょう、秋山菜津子、作・演出の松尾スズキが出席。
明日の開幕を前に咲妃は、「いよいよお客様にお届けできる喜びと同時に、もうここまで来てしまったのかという気持ちが募っております。お稽古が始まって今日に至るまで、本当に濃厚で、演劇の楽しさをひしひしと感じる日々を過ごさせていただきました。全力でお客様を楽しませるために力を注いでいるので、自分もその一員として大変意気込んでおりますし、毎日松尾スズキさんへの尊敬が増す一方です」と、心境を語る。

明日香のパートナーでバラエティ番組の放送作家・焼畑鉄雄役の松下は、「キャラクターの強い方たちに囲まれて稽古をやってきました。個人的にここ数年はミュージカルを多くやらせてもらうようになったので、このタイトルの“ミュージカル”の部分を担うとまで行くとちょっと烏滸がましいので、“ミュ”ぐらいを担って頑張りたいと思います」と、ミュージカル俳優として意気込む。

精神科病院に入院した明日香が出会う少女・ミキ役の昆は「松尾さんの台本の文字からディレクションを経て、立体的になっていく稽古期間がとても楽しくて。自分の役を追求すると共に、キャストの皆さんの素敵なお芝居に、ずっと爆笑していたらあっという間に明日初日ということになってしまいました」と稽古の日々を振り返り、「精神科病棟の中で行われている物語で、病気という個性を持った人たちがたくさんいて、一生懸命生きている人たちばかりの作品だなと思います。お客様にも素敵なひと時を過ごしていただければいいなと思います」とコメント。

「大人計画」の一員として参加する皆川は「今年ほどお正月を純粋に楽しめなかったというのは初めてで。我々休みは3日だけだったね。ちょうどよかったですね、3日ぐらいで。頑張ります!」とぼやきながらも気合いを入れる。
精神科病院の看護師・山岸を演じる桜井は「リラックスして稽古にも臨めて、笑えるところもたくさんあったり、音楽も素晴らしい音楽ばかりですし、その中でヒリヒリする体験や考えさせられる体験をたくさんできる作品だなと日々感じて、この作品と向き合ってこれました。私が体験した感覚を早く観客の皆様にもお届けしたいですし、色んな気持ちになっていただけたら嬉しいです」と微笑む。
同じく看護師・江口役のりょうは、「私も松尾さんを尊敬する毎日です。役皆さんが個性豊かで笑いが絶えない面白い人たちなんですけど、私はあまり笑っちゃいけないので、それを耐えるのに必死で、結構大変な思いをしています」と、厳格な看護師という役どころの上の苦労が。さらに「今日も先ほど稽古をしていたんですけれども、振りもすごく間違えるし、今まで噛んでなかったのに急に噛み始めて、明日に向けてちょっと緊張しています。でも、今までの稽古で学んだことを明日からちゃんとできるようにと思っています」と話していた。
元AV女優・西野役の秋山は「松尾さんの初ミュージカルからご一緒させていただいていて、その後もほとんど出てきたんですけど、松尾さんがミュージカル好きなんだなと今回改めて思いました。本当に音楽っていいなと思いますし、楽しく、ちょっと切なく、面白い作品だと思います。頑張ります」と述べる。
作・演出の松尾は、「ミュージカル界のど真ん中にいる方達と一緒に仕事すること自体が初めてで、そこに僕の昔からの仲間が一緒に混じって、同じような土俵の中でやってることがとても新鮮で、皆プロだなと、日々感謝しております」と語り、本作のミュージカル化については「自分の作品の中では一番シンプルな内容で、ミュージカルにするにはピッタリで、歌や踊りで遊べる隙間があるというか、そういうもので満たされている感じがします。楽曲が素晴らしいのと、皆の歌が上手いのですごいなと、毎日稽古が楽しいですね」と稽古の手応えを感じているようだった。

作品を楽しみにしている方に向け、咲妃より「松尾さんが手掛けられた大切な小説がミュージカルという形で、幅広くお客様にお楽しみいただける作品になっていると思います。どのキャラクターも今を懸命に生きていて、その様がお客様に届いたときにどういう感想をいただけるのか、とても楽しみです」と期待を込めたメッセージが送られた。
最後に松尾は「今までミュージカルに関するお芝居を色々やってきて、斜めに入る事が多いので、その度にミュージカルファンの人たち見に来ないでほしいと思っていました。今回は真っ直ぐなので、ミュージカルファン、待ってます。ミュージカルファンにはお金持ちが多いと聞きます。1度ではなく2度3度、いっぱいスターがいるので見にきてくださるとありがたいです」とユーモアも交えながら呼びかけた。

























