
雄太が九州の田舎町へとやって来たのは、足を骨折した義父が回復するまで身の回りの世話をするためだった。義父が営む昔ながらの写真館の仕事を手伝いながら、東京にいる妻と娘との間で、スマホで撮った映像を交わす。大きな事件は何も起こらないが、日々の些細な出来事と、その記録と記憶の連なりに、家族の人生という長い時間の存在が、静かに、鮮やかに浮かび上がってくる──。
主役・雄太役には柄本佑。『きみの鳥はうたえる』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『火口のふたり』『シン・仮面ライダー』『木挽町のあだ討ち』など多くの主演映画や、2024 年NHK 大河ドラマ「光る君へ」などで見せてきた揺れる内面の陰影が、本作でも静かな重みを与えている。
監督を務めるのは、本作が初の長編作品となる坂⻄未郁。京都芸術大学在学中に映画制作を始め、卒業後は石井裕也監督の助監督や⼟井裕泰監督作のメイキングカメラマンとして映画界で活躍し、今作がついに待望のデビュー作となる。
この度、新キャストが解禁。
父の世話を雄太に託し、外国人旅行者向けツアーガイドの仕事と子育てを東京で続ける妻・ゆき役には穂志もえか。初主演映画『少女邂逅』や2024 年の配信ドラマ「SHOGUN 将軍」にて国内外で注目を浴び、主演ドラマ「京都人の密かな愉しみ Rouge継承」が放送中の穂志が、本作では穏やかな佇まいで家族の記憶を体現している。
そして雄太の義父・誠役にイッセー尾形。ユーモアと厳しさを同居させる唯一無二の存在感で、深い記憶の物語を底から支え、言葉少なに雄太との日々を過ごす誠役を変幻自在に演じる。
さらに、家族の大切な記憶を象徴する人物として香椎由宇が出演。そのほか、梅沢昌代、伊佐山ひろ子、成田裕介、占部房子も出演し、坂西監督のデビュー作を見事に固めている。
あわせて場面写真も解禁。雄太と義父の誠が映写機の前にいるシーン、ゆきと娘が雄太から届いた動画を見ている姿、皆で雄大な自然の前に佇む様子など…今回切り取られているのは家族の何気ない日常。しかしそれは、些細ながらふと思い出す家族の記録に似て、美しく愛おしい一枚一枚になっている。

人はなぜ、日々スマホで写真や映像をそんなにも撮ろうとするのだろう。思い出を残したいからだろうか。そこに写ったその瞬間を、思い出すことができるのは自分だけだとしても。人はなぜ、映画を観るのだろう。映し出されるのは、自分ではない誰かの、現実ではない作られた物語なのに。しかし多くの人たちがその映画を観ることで、同じ記憶を共有できる。そこに流れる時間を多くの人が体験していくことで、自分が永遠の一部であることを感じることができる。
小さくて大きな「記憶」に胸が震える映画の力を、『メモリィズ』は力強く映し出す。











