
この日の表彰式には2022年公開の映画『さがす』で共演した助演女優賞の伊東蒼と助演男優賞の佐藤二朗がトークをする場面があった。
『さがす』で親子役を演じた2人、今でも伊東が高校を卒業した際には写真付きでメールが送られてくるほどの仲で本アワードの受賞が決まった際にも『お互い助演で受賞できてすごくうれしいです』とメールが送られてきたという。そんな伊東の印象について佐藤は「当時も言ってて今も思うんですけどあの年齢で技術とか感性が怪物って思ってました」と役者としての伊東をべた褒め。

そんな佐藤の姿を見て嬉しそうに話を聞く伊東にMCが「佐藤二朗さんはどんな存在ですか?」と質問すると、伊藤が答える間もなく佐藤が「お父さん!」と食い気味に回答。伊東は「お父さんって言っていいのかと思って悩んじゃった」と答えるのが遅れた理由を明かすと、佐藤は「なるほど」と納得したように頷く。
続けて伊東の存在について聞かれた佐藤は「僕は精神年齢6歳の56歳児なので僕にとって蒼ちゃんはお母さんです!」ときっぱり答え会場を笑わせる。
最後に佐藤との共演で勉強になったことを聞かれた伊東は「『さがす』の時に台本一通り全部入ってるんだってことをおっしゃってて、現場に来られた時に『今日何の日だっけ』って聞かれてこういうシーンでって言ったら『あのセリフのところだね』っておっしゃった佐藤二朗さんが本当にかっこよくて、その姿に憧れて私も本読みで全部覚えていってみたりとかしたりしました(笑)」と尊敬の眼差しを向けらると、佐藤は照れくさそうな表情を浮かべながらも“親子”受賞に喜びをみせていた。

『キネマ旬報ベスト・テン』は1919年に創刊し現在まで続いている映画雑誌『キネマ旬報』が1924年から実施している映画賞で今年度の開催で99回目を迎える。ベスト・テンという形でその年を代表する「日本映画」「外国映画」「文化映画」を10本、さらに「日本映画」「外国映画」には読者選出部門を設け、それぞれの10本を挙げる。さらの「日本映画主演女優賞」「日本映画主演男優賞」などその年の称賛すべき作品・映画人を多面的に選出する。
【2025年 第99回キネマ旬報ベスト・テン 受賞一覧】
<作品賞>
日本映画ベスト・テン第1位「旅と日々」(監督:三宅唱/配給:ビターズ・エンド)
外国映画ベスト・テン第1位「ワン・バトル・アフター・アナザー」(監督:ポール・トーマス・アンダーソン/配給:ワーナー・ブラザース映画)
文化映画ベスト・テン第1位「よみがえる声」(監督:朴壽南 朴麻衣/配給:「よみがえる声」上映委員会)
<個人賞>
日本映画監督賞 李相日「国宝」
日本映画脚本賞 奥寺佐渡子「国宝」
外国映画監督賞 ポール・トーマス・アンダーソン「ワン・バトル・アフター・アナザー」
主演女優賞 シム・ウンギョン「旅と日々」
主演男優賞 吉沢亮「国宝」ほか
助演女優賞 伊東蒼「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」
助演男優賞 佐藤二朗「爆弾」ほか
新人女優賞 鈴木唯「ルノワール」
新人男優賞 黒崎煌代「見はらし世代」ほか
読者選出日本映画監督賞 李相日 「国宝」
読者選出外国映画監督賞 ポール・トーマス・アンダーソン「ワン・バトル・アフター・アナザー」
読者賞 秦早穗子『シネマ・エッセイ 記憶の影から』






