
2月20日は「歌舞伎の日」。1607年(慶長12年)のこの日、出雲阿国が将軍・徳川家康の前で初めて「かぶき踊り」を披露したことに由来しており、少女による小歌踊り「ややこ踊り」を基に創始されたその踊りは、やがて「歌舞伎」へと発展していったとされる。その<歌舞伎のはじまりの日>にあわせ、本作の大きな見どころの一つである江戸歌舞伎の名場面、『仮名手本忠臣蔵』本編シーン映像を解禁!
芝居小屋・森田座の舞台で上演されるのは、討ち入りを描く『仮名手本忠臣蔵』の名場面。ある事情により急遽、尾上百助に代わり矢間重太郎役として舞台に立つのは、渡辺謙演じる森田座を束ねる立作者・篠田金治。面頬で顔の下半分を隠した姿に、大星由良助役の七代目市川團十郎も、その正体が金治であるとは気づいていない様子。揚げ幕が上がると同時に四十七士が花道を進み、満員の客席からは割れんばかりの歓声が上がる。討ち入った四十七士と師直の家臣たちが激しく斬り結ぶ中、重太郎に扮した金治が鬼気迫る立ち廻りで観客を圧倒させる、迫力あるシーンとなっている。
本作の大きな見どころの一つが、森田座での江戸歌舞伎の様子を芝居小屋ごと丸ごと再現しているリアリティ。300人もの客が座って観劇できる規模の劇場が東映京都撮影所のスタジオ内にすっぽりと組まれ、舞台と客席の境目のない、江戸歌舞伎ならではの臨場感がスクリーンによみがえっている。江戸歌舞伎考証を手がけた石橋健一郎によれば「庶民にほとんど休日のなかった時代、芝居見物は年に一度か二度の大きな贅沢でした。何日も前からどの着物を着ようか考え、心を躍らせて小屋へ向かう。その高揚感は今とはまったく違ったはずです。舞台と客席の距離も近く、大入りの時には舞台の袖にも客を座らせたことがあったそうです。文字通り、一体感のある空間でした」と話す。さらに渡辺謙も完成披露舞台挨拶で、再現されたセットについて「江戸の歌舞伎はこうだったのだと実感できる劇場でした。袖や楽屋、小道具部屋まできちんと作られていた」と語り、客席を埋めた観客も当時の扮装で臨んでいたことに触れ、「あの空間に立つと、自然と入り込めた」と没入感の高さを明かしている。






