©「パリに咲くエトワール」製作委員会

『ONE PIECE FILM RED』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』を手掛けた谷口悟朗監督と『崖の上のポニョ』『魔女の宅急便』など多くのスタジオジブリ作品のキャラクターデザイン・原画をつとめた近藤勝也が、初めてタッグを組んだオリジナル劇場アニメーション『パリに咲くエトワール』。
主人公フジコの声を担当するのは、若手実力派俳優として注目が集まる當真あみ。アニメ映画『かがみの孤城』で主人公の声優を務め、2025年にはドラマ「ちはやふるーめぐりー」、映画『ストロベリームーン』でどちらも主演を務める當真が画家を夢見る少女・フジコを瑞々しく演じる。フジコとパリでともに夢を追う少女・千鶴を演じるのは嵐莉菜。2022年映画『マイスモールランド』で主演を務めた後、『少年と犬』などの話題作に出演。雑誌ViViの専属モデルも務めており、主人公フジコを演じる當真とは、この夏のドラマ「ちはやふる-めぐり-」で共演し話題となった。さらに、フジコと同じアパルトマンに暮らすロシア人の青年ルスランを演じる早乙女太一をはじめ、門脇麦尾上松也角田晃広津田健次郎と、豪華キャスト陣が集結。

1912年、異国の地・パリへと渡った画家を夢見る少女・フジコ。そして、薙刀(ナギナタ)の名手でありながら心の奥にバレエへの憧れを秘める千鶴。ふたりの少女が、困難を乗り越え、互いに支え合いながらまっすぐに夢を追いかける姿を描く本作。彼女たちが生活したパリは、ちょうど第一次世界大戦前、パリが一番華やかに文化的にも成熟を迎えた頃だったとされる。

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絵画ではちょうど印象派の時代――日本でも人気のクロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、エドガー・ドガなどが活躍。そしてポスト印象派、アール・ヌーヴォーへの移行期と重なり、後世まで残る大きな変革が起こった時期でもある。そしてパリ万博をきっかけに葛飾北斎、渓斎英泉、歌川広重らの作品が海を渡り、一大ブームを巻き起こす。西洋絵画とは全く技法の違う浮世絵は前述のモネ、ルノワール、ピカソらに大きな影響を与え、西洋での<ジャポニズム>ブームのきっかけとなった。フジコが降り立った【1912年のパリ】は、まさに東洋と西洋の文化が融合し花開いた、美術史的にも重要な時代だったことがわかる。劇中、フジコの視線を表すかのように“印象派”の由来となったモネの「印象・日の出」、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」、ジャン・ベロー「コンコルド広場のパリジェンヌ」、ジュール・パスキン「女学生」、アール・ヌーヴォーの代表的作家ミュシャの『四季』の中の1作「夏」、アルベール・マルケ「パリのトリニテ広場」などが登場。なお、これら劇中に登場する名画はすべて、当時の雰囲気を再現するために制作された複製(レプリカ)作品である。またフジコが住むモンマルトルや赤い風車で有名なキャバレー“ムーラン・ルージュ”を愛し、ポスターを多く手がけた作家・ロートレックの作品や、1900年パリ万国博覧会の開会など、現在高い評価と人気を得ている絵画が登場する。

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フジコの叔父・若林は画廊のオーナーだが、浮世絵や屏風、壺など“東洋風”な美術品を売っており、喜多川歌麿の「婦人相学十躰・浮気之相」をコレクターへ薦める場面なども劇中で登場する。その他にも“山姥と金太郎・あかんべえ”など今なお人気の高い浮世絵モチーフがスクリーンに登場するので、至る所に散りばめられた遊び心あふれる美術要素もぜひ見つけてほしい。

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